斎藤元彦・兵庫県知事は、14日の定例記者会見で、飲食店などに出している営業時間や酒類提供時間の短縮要請について、近く全面解除も視野に入れているとの考えを示した。県は、1日の緊急事態宣言解除後も、「適正な感染防止対策をとっている」と認めた飲食店に限り、午後8時半まで酒類提供を容認する(営業は午後9時まで)一方、認証を受けていない飲食店は1時間前倒し、午後7時半まで(営業は午後8時まで)とする独自の対応を続けている。
斎藤知事は県内の感染状況について、「新規陽性者数が減り、病床の使用率も抑えられてきている。第5波もかなり終息に向かってきている」との認識を示した。その上で、21日以降の対応について、「しっかり押さえ切るという意味で、『前倒し解除』は現時点では考えていないが、21日以降の要請の全面解除も一つの判断に入ってくるだろう」と述べた。一方で、1時間ずつなどの段階的な緩和については、「ちょっとどうかな?」と疑問を呈した。そのうえで「ここまで感染者数が減っている中、果たして有効なのか。経済を回していかなくてはならない。ウィズコロナ型の飲食店のありかたを見据え、県として認証店の利用を呼び掛け、飲食店には認証をとってもらうよう流れをしっかり作りたい」と慎重な姿勢を示した。
事業者からは様々な意見が出た。
神戸市内で居酒屋を営む40代の男性は、「休業や時短営業に慣れてしまって……。当分は午後9時までの営業を続けようかなと思っています。ひとりでやっているので、協力金もあったことから、すぐに営業時間を延ばさないとやっていけない、という状況にはないので」と話した。
一方、同じ神戸市内でもバーを営む30代の男性は、「全面解除となるならば、(本来の営業時間である)午前3時までやります。うちのような店は居酒屋が閉まってからが本当のスタートという側面もありますし、現時点でお客さんは2割くらいしか戻ってきていないので」と、前向きな考えを示した。
県は、こうした対応について、18日以降にも対策本部会議を開き、正式に決める見通し。