大阪市立美術館(大阪市天王寺区)で、千四百年御聖忌記念特別展「聖徳太子 日出づる処の天子」が開かれている(~2021年10月24日)。
11月からは東京・サントリー美術館(東京都港区赤坂・ 東京ミッドタウン )でもロングラン開催される(2021年11月17日~2022年1月10日)。
2022年、聖徳太子(574~622)の没後1400年を迎える。太子信仰の中核を担う大阪・四天王寺所蔵の作品を中心に、全国から集められた貴重な美術品の数々が並ぶ。日本各地から飛鳥時代から中世、現代までの太子ゆかりの作品を集めた(大阪・東京展で展示替えあり)。全体は5部構成で、聖徳太子の生涯をたどり、没後の太子信仰の広がりを紹介している。
聖徳太子は用明天皇の皇子として生まれ、推古天皇の摂政となり、遣隋使の派遣や十七条憲法の制定など国家体制の整備に尽力。一方で、仏教の熱心な信奉者でも知られ、大阪・四天王寺や奈良・法隆寺を創建。全国の太子ゆかりの古刹(こさつ)には多くの寺宝が伝わる。
特に大阪・四天王寺(593年・推古天皇元年建立 日本仏法最初の官寺)の所蔵など、国宝や重要文化財を含む約200件が展示される。四天王寺からは、太子がかつて所持したといわれる佩刀(はいとう=貴人の太刀、サーベル)、飛鳥時代の国宝「丙子椒林剣(へいししょうりんけん)」、「七星剣(しちせいけん)」(いずれも7世紀)を展示。