秋から冬にかけて、公園や河川敷の草っぱらを歩くとひっついてくる、“ひっつき虫”。ひっつき虫と言っても虫ではなく、動物等の身体に付いて遠くに運ばれることで子孫を繁栄させるユニークな生態の植物です。
みなさんも服にたくさん付いてしまって「取るのが厄介やなぁ」って思った経験はないでしょうか。あれは不意に付いてくるから「うっとうしいなぁ」と思うわけで「どうぞ付いてください、いくらでも付いてください、むしろ大歓迎です」って気持ちでいれば気にならないんですけどね。
というわけで今回は、ひっつき虫は本気を出したらどれくらい人間に付くのかを調べてきました。
最初、草むらみたいな所に入ったんですが、それだとひっつき虫が付くのは足元だけ。こんなもんじゃなかろうと、続いて草藪、さらには自分の背丈以上の草やツルが生い茂ったジャングルみたいなところにまで果敢に分け入っていきました。
その姿はまるで「ひっつき虫ハンター」!
ともあれ苦労の甲斐あって、全身にたくさんのひっつき虫が付きました。
付いたひっつき虫を見ますと、全体の約70%は平らな三角形のもの。大きさは5mmくらいです。これは「アレチヌスビトハギ」と言って、最初は緑色で枝豆のように連なっていますが、成熟が進むと枯れたような色になり、それぞれがちぎれて単独でひっつくようになります。