マーベルの最新作『エターナルズ』が11月5日に公開されました。アベンジャーズに次ぐ新たなヒーローたちは世相を反映して多種多様に。今作を、映画をこよなく愛するラジオパーソナリティー・増井孝子さんが解説します。
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7月の『ブラック・ウィドウ』(2021年)、9月の『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021年)に続く、マーベル・シネマティック・ユニバース(以下、MCU)の26作目『エターナルズ』。
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【ストーリー】
「エターナルズ」とは、宇宙から地球に到来し、7000年もの間、陰ながら人類を守ってきた不死の異星種族だ。宇宙の上位存在である「セレスティアルズ」によって創造され、「ディヴィアンツ」と呼ばれる凶悪な怪物から人類を守る。その姿は人間たちの目には神のごとく映ったよう。神話に名を残すメンバーがいるのはそのせいだ。
「エターナルズ」は「アベンジャーズ」のようなチーム名ではない。不老不死の“種族”の名前である。しかも、彼らが戦うのはディヴィアンツが出現した時に限られ、それ以外では人類に干渉してはならないという決まりがある。それゆえ、これまで人類の危機は多くあったにもかかわらず、エターナルズは姿を現わさなかった。
舞台は現代のイギリス・ロンドン。エターナルズのセルシ(ジェンマ・チャン)は博物館の学芸員として暮らす。そして、見た目が13歳の少女で、同じくエターナルズのスプライト(リア・マクヒュー)を姪ということにし、共に住んでいる。同僚の人間・デイン(キット・ハリントン)と恋仲。もちろん彼は、セルシがエターナルズであることは知らないのだが、彼女との関わりはやがて彼の運命を大きく変えていくことになる。
ある日突然、数百年ぶりに強力なディヴィアンツが出現する。「クロ」というディヴィアンツは、これまでエターナルズが戦ってきた相手とは違い、知性を持ち、言葉を話す。苦戦するセルシの前に、目からコズミックエネルギーのビームを発射できるイカリス(リチャード・マッデン)が現れ、クロを退ける。