西教寺主事・前阪良樹さんは「『菊御膳』の提供を始めたのは、日本に伝来して1200年以上の歴史があり、この土地で根付いた食用の菊を後世に残せるように、との思いから。坂本菊を生産する農家も減っていて、後継者不足が課題だが、限られた場所での栽培で大量生産できず、市場での安定供給は難しい。こうした中、せめて秋を感じるものとして提供できる場を、という思いでかれこれ20数年。幻の菊とも呼ばれ、毎年楽しみにされる方もいらっしゃる。坂本菊の花の香りや食感を、ぜひ楽しんでいただきたい」と話す。
◇「坂本菊」の『菊御膳』
要予約(※お問い合わせ 電話 077−578−0013 西教寺寺務所)12月5日(日曜)までの予定だが、坂本菊がなくなり次第終了となる。一膳2,750円(税込・西教寺の拝観料500円が別途必要)。1日50膳限定。
◇天台真盛宗総本山 西教寺
寺伝によると、聖徳太子が飛鳥時代に建立、その後久しく荒廃したが、平安時代には比叡山延暦寺の関連寺院として復興した。室町時代に比叡山で修行した僧・真盛(しんせい)が西教寺に入山、念仏と戒律の道場となった。