首都圏地盤のスーパー・オーケー (本社・横浜市) が、兵庫県・大阪府・奈良県で店舗展開する関西スーパー(本部・兵庫県伊丹市)とエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリンググループ(本社・大阪市) との統合差し止めを求めた仮処分の申し立てについて、神戸地裁は22日、差し止めを認める決定をした。
これにより、12月1日に予定していた経営統合への作業がいったん停止する。関西スーパー側は仮処分決定を不服として、決定取り消しを求めて異議を申し立てるという。
オーケーは最終的な司法判断を踏まえ、関西スーパーに再び株式公開買い付け(TOB)を提案する方針で、統合の先行きは不透明になった。
関西スーパーの臨時総会では、決議したH2O子会社との株式交換議案について、投票用紙に何も書かずに(白票で)提出した1人の株主から、本来は賛成する意図があったと申し出があった。
これについてオーケー側は、「一度集計が終わった後で、白票を投じていた株主の申し出で会場での投票内容を棄権から賛成に切り替えた」と主張。 この株主は会場での投票ルールを十分に理解せずに白票を投じたという。
この結果、最初の集計では「否決」とされたが、最終的には僅かな差で可決された。可決には出席株主が持つ議決権の3分の2以上の賛成が必要で、わずかに上回った。
神戸地裁は、この白票を「棄権」としか解することはできないと指摘。投票は軽微かつ形式的な誤りでも訂正できないにもかかわらず、用紙にない事情を考慮して関西スーパーが取り扱いを変えたとして、オーケーの主張を認めた。