80年代の“ラジオ局ジャック事件”がモチーフ 「若者の代弁者」「喪失感の象徴」ザ・スミスの20曲でつづる青春映画 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

80年代の“ラジオ局ジャック事件”がモチーフ 「若者の代弁者」「喪失感の象徴」ザ・スミスの20曲でつづる青春映画

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 一方、クレオたちはパーティーでバカ騒ぎをしながら、将来への不安や自分の内面について悩みを口にします。

「大学なんて夢の話」
「一生フルタイムで働くレジ係よ」

 ディーンは「ザ・スミスの音楽だけが僕らの救いだ」と言って、次にかける曲をDJに指定します……。

==サブ3=

 ザ・スミスは、サッチャー政権だった1980年代のイギリスで5年くらい活動したバンドです。賃金が下がり失業者があふれる状況下、若者の代弁者として社会を痛烈に批判する歌詞と繊細なギターのフレーズが特徴で、多くのミュージシャンに影響を与えたといわれています。

 ザ・スミスをめぐっては、1987年にアメリカ・コロラド州デンバーの若者が地元のラジオ局で銃を突きつけて「スミスの曲だけ放送しろ」と4時間にわたって要求した“ラジオ局ジャック事件”があったとされ、今作はこれをモチーフにしています。

 この映画には、「ショップリフターズ」「ゼア・イズ・ア・ライト」「ディス・チャーミング・マン」「心に茨を持つ少年」ほか、ザ・スミスの作品が20曲以上散りばめられ、ボーカルのモリッシーが解散について語る当時の映像も挿入されています。

Bigmouth Strikes Again(ビッグマウス・ストライクス・アゲイン)
Oscillate Wildly(オシレイト・ワイルドリー)
Shoplifters Of The World Unite(ショップリフターズ)
There Is A Light That Never Goes Out(ゼア・イズ・ア・ライト)
The Queen Is Dead(ザ・クイーン・イズ・デッド)
The Headmaster's Ritual(ザ・ヘッドマスター・リチュアル)
This Charming Man(ディス・チャーミング・マン)
Panic(パニック)
Sweet And Tender Hooligan(スウィート・アンド・テンダー・フーリガン)
William, It Was Really Nothing(ウィリアム)
Barbarism Begins At Home(バーバリズム・ビギンズ・アット・ホーム)
Accept Yourself(アクセプト・ユアセルフ)
I Know It's Over(アイ・ノウ・イッツ・オーヴァー)
Girl Afraid(ガール・アフレイド)
The Boy With The Thorn In His Side(心に茨を持つ少年)
Meat Is Murder(ミート・イズ・マーダー)
Sheila Take A Bow(シーラ・テイク・ア・バウ)
Rubber Ring(ラバー・リング)
Death Of A Disco Dancer(デス・オブ・ア・ディスコダンサー)
How Soon Is Now?(ハウ・スーン・イズ・ナウ?)

==サブ2=

 音楽だけでなく、1980年代アメリカのファッションや空気感を伝えていて、かつてこうした雰囲気に憧れたジェネレーションは懐かしい気分になります。例えば主人公とパーティーを楽しむメンバーにマドンナのコスチュームを完コピしている少女がいたり、1986年の恋愛映画『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』が会話に出てきたり、夜中に男女4人で酒を飲んだあとドライブして、バカ騒ぎしたり。この時代の青春アイテムはケンカとタバコとセックスでした。


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