新型コロナウイルス感染症の影響が続くなかでも、神戸市須磨区の金型メーカーが、「人づくり」「輪づくり」をコンセプトに、業務拡大に励んでいる。
1972(昭和47)年に神戸の須磨で創業、自動車関連のゴム製品の金型を中心に、ゴム金型設計や製作、精密部品加工などを行っているのが、株式会社光明金型製作所だ。
製作するゴム金型には、「S50C」という鉄材料(機械構造用炭素鋼鋼材)やステンレス、チタン、アルミ、真ちゅうなど様々な金属を使っている。「いろんな材質のものを削るノウハウ」を強みと語るのは、父の後を継いだ、同社代表取締役の宮慶丈士さん。モットーは「うちでできることでは何でもやってみよう」。特に、工具を使って金属などの材料を削って加工する技術「切削(加工)」では、顧客の要望に何でも応えていくと胸を張る。
同社では、新たな職人の育成に力を注ぐ。「物を作るというのも大事だが、人を創る(育てる)のも大事」「技術を残していかないとなくなってしまうので、コロナを一緒に乗り切っていくうえで、新たな人材(獲得)も積極的に考えている」。先代から続く『たゆまぬ創意、工夫、信念をもっての実行、明るい未来の実現』という経営方針を大事に、歩みを続ける。
今後は、宮慶さんいわく『輪づくり』を通じて、業務のさらなる拡大に取り組む。「1社ではできることには限りがあるので、輪を作って乗り切っていける形にしていきたい。お客さまを紹介していただいたり、私たちがお客さま同士を結びつけたり、いわゆる『輪を作ること』ができれば。みんなに利益があるような、そんな関係作りができれば」。実績を積み上げてきた金型メーカーは、これからも取引先との対話を大事にしつつ、先を見据えていた。
※ラジオ関西『こうべしんきん三上公也の企業訪問』2021年12月7日放送回より
【2021年12月7日放送回…放送音声】