毎年、年末に今年1年の世相を表す漢字と、選んだ理由を全国から募集して最も応募数の多かった漢字を、京都・清水寺の森清範貫主が揮毫して発表する「今年の漢字」。1995(平成7)年、阪神・淡路大震災が起きた年に始まり、27回目を迎えた2021年は12月13日に開催された。
2021年は、11月1日~ 12月6日の応募期間に223,773 票(※昨年 2020 年は 208,025 票)の応募があり、「金」が 10,422 票(4.66%)を集めて、2016年以来5年ぶり4 度目の第1位に。
2位にはわずかな差で「輪」が続き、トップ20には昨年同様、コロナ禍を象徴する漢字がランクインした一方で、「楽」「希」「明」といった明るいイメージを持つ漢字も上位に並んだ(2020年の第1位は「密」)。
《コロナ禍で開催された東京オリンピック・パラリンピックで日本人選手が多数の「金」メダルを獲得》
新型コロナウイルス感染症の感染再拡大が危ぶまれ、直前まで実施可否が議論となるなか開催された東京オリンピック・パラリンピック。1 年の延期と無観客開催という異例の状況下でも、日本人選手がオリンピックで 史上最多の 27 個、パラリンピックで 13 個の「金」メダルを獲得。
柔道では阿部一二三・詩の兄妹、新種目のスケート ボードで男女ともに「金」メダルを獲得するなど、史上初の偉業にも注目され、コロナ禍の沈滞ムードの中、明るい話題が。
《各界で数多くの「金」字塔》
エンゼルスの大谷翔平選手がアメリカ大リーグ MVP を満票で受賞するなど、”リアル二刀流”でシーズンを通して活躍、さらに男子ゴルフの松山英樹選手が日本人初のマスターズ制覇、将棋では藤井聡太棋士の最年少四冠達成など、国内外でこれまで成し得なかった多くの「金」字塔が打ち立てられた。
《新型コロナ対策にかかわる給付「金」、新紙幣や新 500 円硬貨など、お「金」にまつわる話題も》
飲食店への休業支援「金」・給付「金」、子育て世帯を対象とした臨時特別給付「金」の議論、新紙幣印刷開始や新 500 円硬貨流通など、お「金」にまつわる話も数多く話題に上がった2021年だった。