「コロナ乗り越え、輝かしい年へ~それが『金』への希望」2021年・今年の漢字に思う 日本漢字能力検定協会 代表理事 理事長・山崎信夫さん | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「コロナ乗り越え、輝かしい年へ~それが『金』への希望」2021年・今年の漢字に思う 日本漢字能力検定協会 代表理事 理事長・山崎信夫さん

LINEで送る

この記事の写真を見る(18枚)

・・・・・・・・・・

■「印象、記憶…ダイレクトに表す漢字一文字の魅力」公益財団法人・日本漢字能力検定協会 代表理事 理事長・山崎信夫さん

「金」2000年・シドニー五輪開催
「金」2000年・シドニー五輪開催
「金」2012年・ロンドン五輪開催
「金」2012年・ロンドン五輪開催

 4回目の「金」。オリンピック・パラリンピックの開催ごとに選ばれています。2000年のシドニー、2012年のロンドン、2016年のリオデジャネイロ、そして東京。 ただ、今年は少し位置づけが違うような気がします。自国開催のオリンピックで「金」じゃなければ、いつが「金」なのか・・・。票は大きく割れたものの、考えさせられます。2位が「輪」1位の「金」とは本当にわずかな差だったんです(1 位と 2 位の差は 118 票で過去最少)。

「金」2016年・リオデジャネイロ五輪開催
「金」2016年・リオデジャネイロ五輪開催
「金」2021年「今年の漢字®」東京五輪開催《写真提供:(公財)日本漢字能力検定協会》これまで4回の「金」、同じ文字でもそれぞれに特徴がある
「金」2021年「今年の漢字®」東京五輪開催《写真提供:(公財)日本漢字能力検定協会》これまで4回の「金」、同じ文字でもそれぞれに特徴がある

 3位に「楽」、”楽しい”という意味でランクイン。「今年の漢字」の募集は毎年11月に始まりますから、2021年でいうと緊急事態宣言が解除されて、世間全般に少し落ち着いたころになります。「変」や「新」が浮上したのは、コロナ禍での”新しい生活様式”を意識した、変わる、新たな、という気持ちの表われでしょうか。

 昨年(2020年)のトップ20の漢字のうち、「耐」「病」「禍」「密」「苦」などコロナ禍を象徴する漢字が引き続きランクインしていますが、ワクチン接種が進み感染者数がいったん落ち着いてきたこともあり、「菌」「疫」「粛」「離」などの漢字に代わって、昨年は見られなかった「楽」「希」「明」といった明るいイメージを持つ漢字が上位に並んだのは特徴的です。なお、「翔」「明」は、今回 27 回目にして初めてトップ 20 に入りました。

2020年「今年の漢字®」は「密」《写真提供:(公財)日本漢字能力検定協会》
2020年「今年の漢字®」は「密」《写真提供:(公財)日本漢字能力検定協会》

 去年は「密」、非常にわかりやすいものでした。漢字一文字は願望を表す側面もあるのでしょう。2021年を振り返るに、日本の選手の金メダルラッシュという印象とともに、コロナ禍の自粛した生活から輝かしい未来のために「金の輝き」に思いを込めたのではないかと思います。

日本漢字能力検定協会代表理事 理事長・山崎信夫さん 2011年「絆」は過去最多の61,453票
日本漢字能力検定協会代表理事 理事長・山崎信夫さん 2011年「絆」は過去最多の61,453票
山崎代表理事 理事長「人々の思いや願いをダイレクトに表すことができる漢字は多大なる力を持つ」京都・漢字ミュージアムにて」
LINEで送る

関連記事