明石・大蔵海岸 砂浜陥没事故20年「不幸な事故、起きてからではなく防ぐのが使命」明石市長ら献花

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 2001年12月に兵庫県明石市の大蔵海岸で起きた砂浜陥没事故は30日、発生から20年を迎えた。泉 房穂明石市長と市幹部8人が事故現場を訪れ、献花して手を合わせた。

献花する泉市長ら<2021年12月30日・明石市大蔵海岸>
献花する泉市長ら<2021年12月30日・明石市大蔵海岸>

 事故は東京から帰省していた金月美帆ちゃん(当時4歳)が父親の一彦さんと大蔵海岸を散歩している時に起きた。海岸の人工砂浜が約2メートル陥没し、美帆ちゃんは砂に埋まって生き埋めとなり、搬送された病院で容態が回復することなく、翌年・2002年5月に亡くなった。

大蔵海岸を見守る「愛しい娘」
大蔵海岸を見守る「愛しい娘」
「愛しい娘」海岸の安全を誓う碑として2005年に建てられた
「愛しい娘」海岸の安全を誓う碑として2005年に建てられた

 泉市長はこの日、事故現場で深く頭を下げて哀悼の意を示し、「20年前から、この場所に穴があったことを知る市民もいた。しかし死亡事故が起きるとは思っていなかった面は否めない。同じ年(2001年)の7月には、歩道橋事故もあった。不幸な事故が起こってからではなく、防ぐことが行政の使命だ。市民の安全に対する行政の責任に終わりはない」と話した。

 明石市ではこれらの事故を踏まえ、明石海峡一帯で夏場に目立つ水上バイクの危険走行への対策に取り組んでいる。また、20年が経過して事故を知る職員が約半数にまで減り、教訓を継承する研修にも力を入れている。

【明石・大蔵海岸 砂浜陥没事故】

大蔵海岸(兵庫県明石市)
大蔵海岸(兵庫県明石市)

 2001年12月30日、明石市の大蔵海岸で会社員金月一彦さんと、長女の美帆ちゃん(当時4)が散歩中、人工砂浜が約2メートル陥没。美帆ちゃんが生き埋めとなり、翌年2002年5月26日に死亡した。 土砂がすき間から海に流出するのを防ぐゴム製の板に穴が開き、砂浜の下に空洞ができたのが原因とされる。
 兵庫県警は2004年、国土交通省近畿地方整備局姫路工事事務所(現・姫路河川国道事務所)の担当者と明石市の当時の海岸・治水管理担当者ら4人を業務上過失致死容疑で書類送検し、神戸地検が在宅起訴した。
 1審・神戸地裁は2006年、事故の予見可能性を認めずに全員に無罪判決を言い渡した。しかし2審・大阪高裁は2008年、一転して4人の予見可能性を認め、1審判決を破棄し、審理を差し戻した。

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