神戸市北区の路上で2010年10月、堤将太さん(当時16歳・高校2年)が刺殺された事件で、2021年8月に殺人容疑で逮捕された男(29・事件当時17歳)について精神状態などを調べる鑑定留置が24日、終了した。関係者によると、刑事責任能力はあったとの鑑定結果が出たという。神戸地検は男の勾留期限となる28日にも、男を殺人罪で起訴する見込み。
男が事件への関与をほのめかしているとの情報を得た兵庫県警が事件から10年10か月後の2021年8月4日、殺人容疑で逮捕した。男は2010年10月4日夜、神戸市北区筑紫が丘の路上で、将太さんをナイフで複数回刺すなどして殺害した疑いが持たれている。
捜査関係者によると、男がこの事件と類似した、少年が高校生を殺害するという内容の小説を書いていたことが判明。神戸地検は犯行時の精神状態や刑事責任能力の程度を多角的に調べる必要があるとして、8月20日から鑑定留置していた。
将太さんの父親・敏さんはラジオ関西の取材に対し、男が起訴されるまでは気持ちの整理がつかないと心境を明かした。そして「私が知りたいのは、なぜ将太が殺されなくてはならなかったのか、このことに尽きる。男は当時、本当に罪の意識があったのか。起訴されたとしても、大事なのはどのような起訴内容なのか。この先始まる刑事裁判ですべてを明らかにするために、すべてはこれからです」と話すにとどまった。