年のはじめが1月1日のわけ 正月とクリスマスとの共通点は… | ラジトピ ラジオ関西トピックス

年のはじめが1月1日のわけ 正月とクリスマスとの共通点は…

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◆「田辺眞人のラジオレクチャー」

 1月1日は、本当に年のはじめなのでしょうか……。

 英語の1月を示す「ジャニュアリー(January)」の語源に1の意味はありません。分かりやすい例が10月の「オクトーバー(October)」で、オクトパスは8本足のタコ、ドからドまでの8音はオクターブ、オクテットは八重奏。オクトは8ですから、オクトーバーといえば8月のはずです。

 オクトーバーの前月は「セプテンバー(September)」で、セプトはセブン(7)。オクトーバーの翌月は「ノーベンバー(November)」、ノフはナイン(9)。「ディセンバー(December)」はデシリットルやデカメロンで(10)。7、8、9、10と並んでいるので、11番目の月がジャニュアリー、12番目が「フェブラリー(February)」のはずで、1年を30日と31日で割って12か月に分けたとき、年末の2月は28日しかなかったのです。このように月の名前を考えると、1年はマーチ(March)から始まっているのです。

 中国は、春が始まる立春の2月4日ごろが年のはじめです。春節でお祝いをしていますね。

春節

 ヨーロッパでは中世以降、ジャニュアリーが始まりのカレンダーを使い始めましたが、厳しい冬の北ヨーロッパに、12月下旬の冬至のころを365日のはじめとする文化がありました。月が欠けて夜が真っ暗になる“不安”と、翌日に細く光る月がポッと出る“期待”は、30日毎に繰り返されます。そして、12月下旬の冬至のころは太陽が一番弱まり、その不安と期待のギャップが1年で最大になります。そこで北ヨーロッパでは、“永遠の命”のシンボルである常緑樹を立てて太陽復活祭を祝い、後にその日をイエスの誕生日としました。(☆1)

常緑樹・もみの木

 日本でも、正月に常緑樹の門松を飾りますね。日本は正月を大事にし、ヨーロッパはクリスマスを大事にすると言います。クリスマスの元には冬至の太陽復活の祈りがあることから、ここに正月との共通点が見られます。

門松

(☆1)ラジオ関西『田辺眞人のまっこと!ラジオ』2021年12月24日放送「ラジオレクチャー」
・ラジトピ【なぜキリストの誕生日は「12月25日」とされる? 「きよしこの夜」を日本語訳したのは兵庫ゆかりの人】

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