2月は星空にとって「静かな」時間となる。大きな天文現象はないが、星の輝きを感じられる。
なかでも一番明るいのは金星。13日に最大光度を迎える。つまり、“とーっても”明るくなる。その明るさはマイナス4.9等で、1等星の100倍以上明るい。日の出前の東の低い空で輝いている。その時期、近くには赤い星・1.4~1.3等の明るさの火星も見える。これだけ明るい金星は太陽が昇った後も空にあって肉眼でも見つけやすい。
2月27日、28日になると、金星と新月を迎える前の細い月が近づく。日の出前の南東の空が開けたところで競演が実現する。27日、月は金星の右側にあるが、28日になると月は金星の下に移動している。その位置の変化を実感するのもいい。そしてこの場面でも火星を見ることができる。それほど明るくはないが金星のすぐ下の赤い星。火星は2022年12月に地球に最接近するとされ、これから9か月ほどをかけて地球に近づいてくる。
冬の夜空で見つけやすい星座というと、「オリオン座」。ギリシャ神話に登場する狩人の姿を現している。ベルトの位置に当たる所に1列に並んだ3つの星があり、これが目印となる。オリオンの右腕に当たる位置にある赤い星が、「ベテルギウス」。その東南にある一番明るい星がおおいぬ座の1等星「シリウス」。ベテルギウス・シリウスと合わせて三角形を作るのがこいぬ座の「プロキオン」。この3つが「冬の大三角」となる。
さらに冬の空にはダイヤモンドもある。オリオン座の3つ星のそば、オリオンの左足に当たるところの青白い星「リゲル」、オリオン座の3つ星を北西に伸ばした先にあるオレンジ色の星・おうし座の「アルデバラン」、オリオン座を縦長に見た時の真上、つまりオリオンの頭の真上にある明るい星がぎょしゃ座の「カペラ」、カペラの東にある2つの明るい星のうちより明るい方がふたご座の「ポルックス」。シリウス・リゲル・アルデバラン・カペラ・ポルックス・そしてプロキオンを結ぶと六角形となり、これが「冬のダイヤモンド」と言われる。
冬の夜は寒いが、見つけやすい星も多く、また空気が澄んでいるとも言われるので、星は一層輝いて見える。この時期ならではの星たちを探してみては?