瀬戸内に”春”告げるイカナゴ、6年連続「不漁」予測 2022年も平年下回る | ラジトピ ラジオ関西トピックス

瀬戸内に”春”告げるイカナゴ、6年連続「不漁」予測 2022年も平年下回る

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 瀬戸内海の春を告げる、イカナゴのシンコ(稚魚)漁について、兵庫県水産技術センター(明石市)が2022年のシーズンも兵庫県内の全ての海域で「不漁」と予測した。産卵や稚魚の数量が平年を大きく下回ったため。不漁予測は2017年以降、6年連続。
 1月16〜19日に行った漁期前の調査でわかった。原因の1つとして水質の改善による魚介の栄養源の窒素不足が指摘されている。

昨シーズン(2021年)のイカナゴ(シンコ)漁解禁日の様子<2021年3月6日 ※画像提供・大阪湾海上交通センター>
昨シーズン(2021年)のイカナゴ(シンコ)漁解禁日の様子<2021年3月6日 ※画像提供・大阪湾海上交通センター>

 シンコ漁は、2017年に前年比1割以下の約千トンに急減。いずれも速報値で、2020年は過去最少の147トン、2021年(昨年)は1467トンだった。

 主な産卵場である播磨灘の鹿ノ瀬海域(明石海峡の西側から南西方向)での親魚採集尾数は、昨年を上回ったものの平年値を下回った。産卵量指数(親魚の大きさを考慮して算出した産卵量の目安)も同様で、推定産卵量は前年の約3倍だったが、平年値(直近10年間の平均)の約2割と極めて少ない。

明石海峡でとれたイカナゴ(シンコ)
明石海峡でとれたイカナゴ(シンコ)

 今漁期のシンコ漁獲量は、播磨灘、大阪湾、紀伊水道の 3 海域とも平年を下回ると予想される。調査点あたりの平均採集尾数は、
▼播磨灘  3.4 尾(昨年 2.5 尾、平年値 11.1 尾)
▼大阪湾 15.1 尾(昨年 3.5 尾、平年値 15.3 尾)
▼紀伊水道  0.9 尾(昨 年 1.1 尾、平年値 3.3 尾)
大阪湾は平年並みだったが、播磨灘と紀伊水道は平年に比べて低い値で、分布量も低水準だった。

 兵庫県水産技術センターは、依然としてイカナゴの資源量は低水準であることを踏まえ、今後、漁獲量を増やしていくためには、引き続き産卵親魚を残すことを考慮した漁獲や網あげの取り組みが必要だとしている。

 今シーズンの漁の解禁日は、漁業者が2月下旬に行う試験操業などを基に決める。

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