古くから皮革産業が盛んな兵庫県姫路市の「姫路レザー」を主な素材として、革製品を一点一点手づくりで製作している工房が、神戸にある。
神戸市西区の「もりお工房」は、自らも職人である代表取締役の森岡良祐さんが「本当にいいものを手頃な価格で、直接お客様に届けたい」という思いから立ち上げた店だ。
材料となる本革は色や質感、表情など素材そのもの良さが何よりも重要で仕上がりにも直結する。季節や原皮の状態などさまざまな条件で加工方法も変化するため、『もりお工房』では信頼するタンナー(スキン=皮を、レザー=革に加工する職人)に依頼し、品質の良い革をそろえているという。
森岡さんは「顔料を塗ると、一点ものである天然皮革の個性が失われてしまうので、自然な風合いが残る染料を使ってもらっている」と話す。なるべく匂いが少ない薬品を選んでいるのもこだわりだ。
加工されたレザーは部位によって柔らかさが異なるため、作る製品に合った手触りを確かめながら裁断。丁寧な縫製はまさに職人の技で、存在感のある縫い目もデザインの一つとなっている。そして、ただ美しいだけではなく、機能性にも優れているのも特長。
同店の定番アイテムの1つ、財布のなかで、才色兼備を意味する「as Wise(アズ ワイズ)」は、見た目の良さと使いやすさをコンセプトにした製品。ロングサイズと手の平に納まるハーフサイズがあり、一度ファスナーを開くだけでコイン・お札・カード類すべてを見渡せる作りになっている。手になじむ小さすぎないコンパクトさで、レザーをぐるりと囲む太めのラウンドファスナーも「スムーズに開けられる」と好評のよう。
「金具も日本製を使用し、ファスナーはYKKのもの。動きが滑らかなのはもちろん、こわれにくいので、長く使う革製品には欠かせない」(森岡さん)
もう1つ、同店で人気の商品が「がま口シリーズ」。10種類ものサイズを製作しており、一番小さいタイプは500円玉を数枚、または指輪など小さなアクセサリーを入れるのにちょうど良いサイズだ。一方、最も大きい物は横幅約50センチのショルダーバッグ。がま口の丸みを帯びたシルエットが愛らしく、マチが十分あるので収納力は抜群。華やかな8色のカラーバリエーションから選べるのも人気の理由となっている。
※ラジオ関西『ばんばひろふみ!ラジオDEしょー!』2022年2月16日放送回、「魅力満載!海峡通信」より
◆もりお工房株式会社
兵庫県神戸市西区平野町西戸田189
電話 078-955-2172
【オンラインショップ(MorioKoubou楽天市場店)】