【ピンチをチャンスに】交通事故、下半身まひの苦境も、反骨精神で多方面に活躍中 「ポジティブモンスター」の進む道 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

【ピンチをチャンスに】交通事故、下半身まひの苦境も、反骨精神で多方面に活躍中 「ポジティブモンスター」の進む道

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「飲食業を2人でやりたいと準備を進めていたときに、コロナ渦がやってきて。不安はありつつも、その状況下でもテイクアウトやデリバリー、キッチンカーの業態は需要があるのではと考え、開業に踏み切りました。おかげさまでコロナ渦のデリバリーの需要は高く、皆さんのご支持でここまでやって来られました」(木戸さん)

(写真提供:木戸俊介さん)
(写真提供:木戸俊介さん)

 さらに木戸さんは2020年9月に、スポーツと教育をミックスさせた新たな事業をスタート。筑波大学時代、体育教諭を志望した経緯もあり、「将来は人に教えたり、自身のキャリアの話をしたい」という思いから、大学時代の仲間と「HUMAN DEVELOPMENT ACADEMY」を設立。現在は研修事業やスポーツクラブのスポンサーセールスのサポートを主に行っている。

 明るく何事にもチャレンジし続ける木戸さんだが、交通事故で下半身完全まひになった直後は、さまざまな葛藤があったという。そんなピンチを支えてくれたのは家族や多くの仲間の存在だったと話す。

「事故の直後は、ひとりになるたびに将来への不安がよぎりました。入院中にはたくさんの方がお見舞いに来てくれ、励ましてくれました。でも、反骨精神で、前向きにやりたいことを来てくれた人に話していたことで、自分を励ましに来てくれた人が、逆に励みをもらって帰ったと言ってくれたんです。そう言われると、自分も元気でいなければと思うんですよね。小さなきっかけを繰り返すことで、雪だるま式に前向きさが大きくなっていきました」(木戸さん)

 木戸さんは、人生において最も大切にしている「逆転の発想」が、好転のきっかけになったと力説する。

「僕が一番大切にしている『逆転の発想』が、自身の前向きさをモンスター並みに大きくしてくれました。車椅子生活は一見、高いハ-ドルがあって、物理的なバリアもあるけれど、みんなが優しく声をかけてくれるし、車椅子だからこそ出会えた人もたくさん増えました。僕にとって、ピンチはチャンスなんです。コロナ渦の最中に新事業を始めたのも、『そここそがチャンス!』という、『逆転の発想』から。『なぜ緊急事態宣言期間中に?』ということが話題性を呼び、こういうふうにラジオなどの公の場で話すネタになるかなと思ったんですよ」(木戸さん)

 その思いは、いま、中高生向けの講演活動の際にもいきている。

「自分は元・健常者であり、現・障がい者だからこそ、いろいろな立場で話せることがあると思っています。寝たきりで、みんなの当たり前ができなくなったところから、少しずついろいろできるようになったことを経験談として伝えています。物事をポジティブになかなか捉えられない人は、『大丈夫、自分はできるはず、昨日より少しでも前向きに生きてみよう』と思って欲しいです。少しずつ自分のペースで前に進む時に、『逆転の発想』で、無理なく自分の目の前のバリアを逆転して欲しいと考えています」(木戸さん)

 今後の展望は、「“人生のすべらない話”を子どもにするために、“すべらない人生”を送ること」。自身の行動が想像もしないところで次の一歩につながる面白みを体感しながら、着実に歩みを進める木戸さん。その活躍からは今後も目が離せない。

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