日本最古のカレーメーカー・ハチ食品株式会社(本社・大阪市西淀川区)は、「蜂カレー」「百年目のカレー」に並ぶ新たな商品を開発。自社の歴史にスポットを当てた高級志向のレトルトカレー「始まりの黄金鬱金(ウコン)カレー」を2022年3月1日(火)に発売する。
先行してハチ食品オンラインショップで2月15日に発売したが、2022年春夏向け新商品の中でも大変好評だという。
薬種問屋「大和屋」として、江戸時代末期の1845年(弘化2年)に、初代今村弥兵衛が大阪・瓦町(現在の大阪市中央区瓦町)で創業したハチ食品。
二代目今村弥兵衛時代には屋号を「今村弥」と改め、当時、漢方薬の原料となる 鬱金 (ウコン・ターメリック)の栽培にも力を入れ、1903年(明治36年)にウコン粉が第五回内国勧業博覧会で有功褒賞を受賞した。今年(2022年)はそれから120年目にあたる。
1900年代初頭、二代目弥兵衛が漢方薬の貯蔵庫に入ったところ、ウコンや唐辛子などが入った柳行李(やなぎごうり)から、当時輸入されていたカレーのような香りがしたことから、これらの材料を使って薬の調合技術を応用し、オリジナルのレシピでカレー粉を調合したのが始まりとされる。
当時、日本国内のカレー粉はイギリスからの輸入品しかなく「魔法の粉」と思われていたという。
その後、ウコン粉を主原料としたカレー粉開発に励み、1905年(明治38年)、日本で初めて国産カレー粉「蜂カレー」を世に送り出す。創業から60年のことだった。ハチ食品にとってウコンはまさに「祖業(そぎょう)」といえる原点であり、歴史の始まりを象徴する存在となった。
「蜂カレー」の名は、弥兵衛が薄暗い蔵の中でカレー粉の試作に取り組んでいる時、ふと顔を上げると、窓に止まった一匹の蜂に朝日が注ぎ、黄金とも飴色とも言えるような輝きを放ち、えも言われぬなんとも素晴らしい光景に見えたのが由来。