日本最古のカレーメーカー・ハチ食品株式会社(本社・大阪市西淀川区)は、「蜂カレー」「百年目のカレー」に並ぶ新たな商品を開発。自社の歴史にスポットを当てた高級志向のレトルトカレー「始まりの黄金鬱金(ウコン)カレー」を2022年3月1日(火)に発売する。
![ハチ食品「始まりの黄金鬱金カレー」(内容量 200g/希望小売価格 税込432円)](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2022/02/%E5%A7%8B%E3%81%BE%E3%82%8A%E3%81%AE%E9%BB%84%E9%87%91%E9%AC%B1%E9%87%91%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%BC_%E8%A1%A8%E9%9D%A2-783x1024.jpg)
先行してハチ食品オンラインショップで2月15日に発売したが、2022年春夏向け新商品の中でも大変好評だという。
薬種問屋「大和屋」として、江戸時代末期の1845年(弘化2年)に、初代今村弥兵衛が大阪・瓦町(現在の大阪市中央区瓦町)で創業したハチ食品。
![1928(昭和3)年当時の今村彌商店(現・ハチ食品)大阪市東区瓦戦前の展示販売<※画像提供・ハチ食品>町](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2022/02/%E6%98%AD%E5%92%8C3%E5%B9%B4%E5%BD%93%E6%99%82%E3%81%AE%E4%BB%8A%E6%9D%91%E5%BD%8C%E5%95%86%E5%BA%97%EF%BC%88%E7%8F%BE%EF%BC%9A%E3%83%8F%E3%83%81%E9%A3%9F%E5%93%81%EF%BC%89-1024x745.jpg)
![「蜂カレー」ダイナミックな蜂型の看板店舗 (1938・昭和13年)<※画像提供・ハチ食品>](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2022/02/%E8%9C%82%E7%9C%8B%E6%9D%BF%E5%BA%97%E8%88%97%EF%BC%88%E6%98%AD%E5%92%8C13%E5%B9%B4%EF%BC%89-1024x726.jpg)
![今村彌商店「粉末鬱金袋」1917(大正6)年<※画像提供・ハチ食品>](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2022/02/%E7%B2%89%E6%9C%AB%E9%AC%B1%E9%87%91%E8%A2%8B%EF%BC%88%E5%A4%A7%E6%AD%A36%E5%B9%B4%EF%BC%89%E4%BB%8A%E6%9D%91%E5%BD%8C%E5%95%86%E5%BA%97_%E8%A1%A8%E9%9D%A2-395x1024.jpg)
二代目今村弥兵衛時代には屋号を「今村弥」と改め、当時、漢方薬の原料となる 鬱金 (ウコン・ターメリック)の栽培にも力を入れ、1903年(明治36年)にウコン粉が第五回内国勧業博覧会で有功褒賞を受賞した。今年(2022年)はそれから120年目にあたる。
1900年代初頭、二代目弥兵衛が漢方薬の貯蔵庫に入ったところ、ウコンや唐辛子などが入った柳行李(やなぎごうり)から、当時輸入されていたカレーのような香りがしたことから、これらの材料を使って薬の調合技術を応用し、オリジナルのレシピでカレー粉を調合したのが始まりとされる。
当時、日本国内のカレー粉はイギリスからの輸入品しかなく「魔法の粉」と思われていたという。
![「蜂カレー」昭和20年代の宣伝カー<※画像提供・ハチ食品>](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2022/02/%E5%AE%A3%E4%BC%9D%E3%82%AB%E3%83%BC%EF%BC%88%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AF%EF%BC%89.jpg)
![戦前の展示販売<※画像提供・ハチ食品>](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2022/02/%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%82%AD%E3%83%B3%E8%B2%A9%E5%A3%B2%EF%BC%88%E6%98%AD%E5%92%8C13%E5%B9%B4%EF%BC%89-1024x733.jpg)
その後、ウコン粉を主原料としたカレー粉開発に励み、1905年(明治38年)、日本で初めて国産カレー粉「蜂カレー」を世に送り出す。創業から60年のことだった。ハチ食品にとってウコンはまさに「祖業(そぎょう)」といえる原点であり、歴史の始まりを象徴する存在となった。
![「蜂カレー」時計台ネオンも<※画像提供・ハチ食品>](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2022/02/%E8%9C%82%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%BC%E6%99%82%E8%A8%88%E5%8F%B0-1024x665.jpg)
![昭和中期の「蜂カレー」赤缶<※画像提供・ハチ食品>](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2022/02/%E8%9C%82%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%BC%E7%B2%89%E8%B5%A4%E7%BC%B6%EF%BC%88%E6%98%AD%E5%92%8C%E4%B8%AD%E6%9C%9F%EF%BC%89-1024x683.jpg)
「蜂カレー」の名は、弥兵衛が薄暗い蔵の中でカレー粉の試作に取り組んでいる時、ふと顔を上げると、窓に止まった一匹の蜂に朝日が注ぎ、黄金とも飴色とも言えるような輝きを放ち、えも言われぬなんとも素晴らしい光景に見えたのが由来。