最近ではradikoの普及もあるとはいえ、ラジオを受信機で聴くときにチェックするのが、周波数。各局に割り当てられたものですが、そのラジオ局を象徴する数字が、過去に変更された事例がありました。なぜ、そのようなことが起こったのでしょうか。普段はラジオを陰で支えている技術スタッフが、ラジオ番組のなかで解説しました。
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リスナーから「ラジオ局の周波数ってどうやって決まるの?」という問い合わせがありました。
電波は共有の財産なので、免許や登録が必要です。ラジオ局の周波数については、総務省が電波法に基づいて、周波数の割り当て計画を告示し、放送局がその中から利用可能な周波数を申請します。
申請してからも、他の無線局に影響が出ないかなどの調整が行われます。中波や衛星通信のような広域に電波が届くような無線局は、総務省を通じて国際調整と登録を行なう必要もあります。
ラジオ関西(神戸市中央区)の場合、中波親局の電波塔が淡路島の岩屋から今の東浦に移転する際も、総務省を通じてITU(国際電気通信連合)に届出をしています。
また同局の周波数を例に挙げると、1952年当初に周波数1490kC(キロサイクル)で開局し、翌年1953年には周波数560kHz(キロヘルツ)に。そして1978年に現在のAM558kHzになるなど、何度か変更しています。
開局から1年後の変更、そして、560kHzから558kHzというわずか2kHzの移動など、なぜラジオ関西は周波数を変えることが必要だったのでしょうか。
まず開局時の1490kCから周波数を変更した際には、サービスエリアの問題と、当時のラジオ受信機の問題がありました。当時の1490kCでは想定よりもサービスエリアが狭く、そのとき普及していたラジオ受信機の中には1490kCまで受信できないものもあり、リスナーからの苦情が多く寄せられ、よりサービスエリアが広くなるよう、低い周波数に変更することになりました。
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【放送音声】2022年3月13日放送回