2月24日に始まったロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻は、15日で20日目となる。首都・キエフ周辺など各地で攻勢を強めている。両国の停戦交渉が14日、オンライン形式で再開したが、いったん中断した。15日にも再開する見込みだが、進展があるかは予断を許さない状況だ。
日本国内(関西)に住むウクライナ人、ロシア人、そしてロシアとの同盟関係がクローズアップされるベラルーシ人は、この状況をどうとらえているのか聞いた。(なお、それぞれの母国の親族らの安全確保のため、インタビューに応じた方々について、記事内では匿名としている)
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■ウクライナ人女性「母国の空を守って。その意味は…」
日本に住んで15年、ウクライナ西部、ポーランドに近いリヴィウ出身の30代の女性は、「平和なウクライナしか知らない。だから『戦争』『紛争』という言葉や表現の仕方がわからなかった」と話した。
ロシア政府やプーチン政権への批判をSNSで発信しようにも、言葉が思いつかなかった。1991年に旧ソビエトが崩壊、物心がついたときにはすでにウクライナは独立していた。そのウクライナしか知らない。感覚はすでに“西側”だった。
こうした中、 ロシア軍は13日、この女性の故郷・リヴィウの「国際平和維持・安全センター」をミサイル攻撃、死者は35人にのぼった。この施設はNATO (北大西洋条約機構)の加盟国が、ウクライナ兵との合同で演習などを行ってきた拠点だった。
女性は「ウクライナの空を守ってほしい」と繰り返した。これはNATOによる支援を求めることを意味しているが、「もし、ロシアがNATO加盟国の領域まで攻撃を広げてしまえば、今後確実にヨーロッパまで影響が出る。何としても止めなければならない」と訴える。
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■ロシア人女性「危惧されるのは“情報と言論の統制” 恐るべきプロパガンダ」