塩野義製薬(本社・大阪市中央区)は16日、開発中の新型コロナウイルスの軽症・中等症患者に向けた飲み薬タイプの治療薬 「S―217622」 について、アメリカやヨーロッパ、 アフリカ、アジア などでも最終段階の臨床試験(治験)を開始すると発表した。
アメリカ国立衛生研究所(NIH)の関連機関、国立アレルギー感染症研究所(NIAID)から資金支援を受け、約1700人を対象に行い、有効性や安全性を調べる。海外でも承認申請を目指す。
日本での治験結果をアメリカ食品医薬品局(FDA)が評価し、実施が認められた。治験はアメリカを拠点とする世界最大のエイズウイルス(HIV)の研究ネットワークが主体となり、塩野義製薬が協力して進める。
■オミクロン株の亜種、「BA・2」に対しても治験レベルで有効性が
塩野義はまた、この飲み薬が、感染力がより強いとされるオミクロン株の派生型「BA・2」に対しても、実験レベルで有効性が確認されたと発表した。
塩野義が開発中の飲み薬は軽症者向けの治療薬で、ウイルスの増殖を抑制することで重症化を防ぐ。国内では治験を経て安全性や有効性が確認されたとして、2月下旬に厚生労働省に承認申請した。承認が得られれば国内企業で初の飲み薬となる