元オリックス・阪神の葛城育郎氏がラジオ番組にゲスト出演し、現役時代の貴重なエピソードを明かすとともに、現役引退後のセカンドキャリアについて語った。
出演したのは、林歳彦氏(会社経営者・環境活動家)と、フリーアナウンサーの田中大貴(元フジテレビアナウンサー)がパーソナリティーを務めるラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』2022年2月28日放送回。
葛城氏は立命館大学を経て、1999年のドラフト2位でオリックス入りし、2000年から2003年までプレー後、03年11月にトレードで阪神へ移籍。シュアなバッティングが持ち味の左打者として活躍し、2011年シーズンを最後に現役を引退した。
現役時代は「イクロー」コールで親しまれるとともに、ヒーローインタビューでの雄叫びでファンの心をつかんだ葛城氏。現役時代の思い出深いエピソードについて番組で尋ねられると「オリックスに所属していた頃、人生で初めて悔し泣きをしたことがある」と回答する。
「ある試合でライトを守っていて、1試合で2回落球したんです。普通のフライを2個も落としてしまって、簡単な打球なのにどうしてそんなことになったのか……と。レギュラーで出場させてもらっていたのに、コーチや監督にも悪いなと思ってしまって悔しくて泣いてしまったんです」
試合後に悔しさを抱えたまま1人で外食をしていた時、偶然遭遇したのが、当時の指揮官・仰木彬監督だった。
「自分としては(落球したことが)監督に申し訳なくて、しゃべりたくないし目も合わせられなかったんです。でも、監督は僕を見つけて『おう、落球王!』って笑いながら声をかけてくれたんですよね。それで悔しさが緩んだというか、少し楽になりました。翌日は朝からずっとノックの練習をしていたんですが、もしあの夜に監督と会っていなかったら、悔しさを引きずったままだったでしょうね。あれは、自分の中での転機だったと思います」
現役を引退後、現在は焼鳥店「酒美鶏 葛城(さけびどり・かつらぎ)」を経営し、店内で自ら調理なども行っている。その一方、2021年春から報徳学園高校のコーチとしてグラウンドに立つ。