国土交通省が22日発表した2022年の公示地価は、商業地が0.8%の下落だった前年から、0.4%の上昇に転じたが、飲食街や行楽地など大きな影響が残る地域は下落が目立つ。住宅地は0.5%上昇した。
商業地は三大都市圏のうち、東京圏と名古屋圏がそれぞれ0.7%、1.7%上昇し、大阪圏は横ばいだった。いずれも前年の下落から転じた。国交省は「新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に緩和され、回復傾向がみられた」と分析している。
こうした中、大阪・ミナミや神戸・三宮など、コロナ下で営業が制限される飲食店の多い地区や、インバウンド(訪日旅行客)のにぎわいが消えた場所では下落が続く。 ミナミの下落率は全国ワースト10の地点のうち8つを占めた。
近畿2府4県の商業地は京都がプラス0.5%と上昇に転じたのに対し、大阪はマイナス0.2%と前の年に続いて下落。 滋賀と兵庫が横ばい、奈良は0.8%、和歌山は1.2%のマイナスに。
兵庫の商業地では、神戸・三宮の東門街や三宮センター街で、それぞれ6.7%、5.8%減で兵庫県内ワースト1、2の下落率に。 姫路駅前も2年連続の下落となった。
商業地の下落率・全国ワーストは大阪・ミナミの道頓堀(大阪市中央区)の15.5%。
全国の最高価格は、16年連続で東京・銀座の「山野楽器銀座本店」(東京都中央区銀座4)となり、1平方メートル当たり5300万円。