職場・学校・家庭と人生の様々な場面で思わぬ落とし穴に落ちることがあるもの。そんなときに、「このピンチをどうやって乗り越えればいいのか」、さらには「ピンチをチャンスに変えることができればいいのに」と誰もが一度は思ったことがあるはず。
ラジオ番組『ピンチのあとにチャンスあり!』(ラジオ関西)では、そんな幾多のピンチをそれぞれ逆転の発想、挑戦する姿勢で乗り越えてきた、ひょうご・関西の企業経営者たちにスポットを当て、逆転の発想、挑戦する姿勢を生み出すヒントを探った。
有限会社夢前夢工房の代表取締役社長を務める衣笠愛之さん。多角経営におけるレストラン事業で、看板シェフが突然の退職という苦境に立たされた経験を持つ。残された料理経験のない従業員たちの不安をやる気に変えた衣笠さんの考えとは……。
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有限会社夢前夢工房は1999年12月に設立。高齢化によって使われなくなった農地で米や小麦、イチゴなどの農産物を栽培し、地域の農業を支えながら次世代に大切な農地を残す土地利用型農業や次世代を担う農業従事者の育成を行う。その他、農家レストラン「夢工房」の経営や、姫路市の農業体験施設「夢やかた」の指定管理者となり、農業体験のできるキャンプ場として整備を進めるなど事業を多数展開。栽培している「ゆめさき苺」のいちご狩りは、開店時に多くの行列ができる人気で、「2020年度じゃらんいちご狩り人気施設関西エリアグランプリ」も受賞している。
衣笠さんは、1961(昭和36)年姫路市(旧夢前町)生まれ。もともとは大の農業嫌いだったというが、33歳のとき、「アトピー性皮膚炎に悩まされている長女に農薬を使っていない安心な食べ物を食べさせたい」という思いから家業を継ぎ、無農薬にこだわった農業を始める。実は、姫路の田んぼアート「ひめじ田宴アート」の発起人でもある衣笠さん。地域の人に喜んでもらいたいという思いから、農地の様々な活用方法を日々考え続けている。「頼まれたらNo!と言わない」がモットーだ。
「自分のような農業嫌いの人でも好きになれる農業を提供できるようにと考えています。農業は苦労が絶えないです。でも苦労すればするほど楽しいなと感じています。失敗をして、それを乗り越えられたときの喜びは何にも代えがたいです。なのでずっと失敗ばかりしてますね(笑)」