「播磨の法隆寺」と呼ばれる聖徳太子(厩戸皇子・うまやどのおうじ 574~622) ゆかりの天台宗の古刹、刀田山・鶴林寺(とたさん・かくりんじ 加古川市加古川町北在家)で、聖徳太子の遺徳を偲ぶ法要 「太子会式(たいしえしき)」が3月19~21日の3日間営まれた。
本来、去年(2021年)が聖徳太子の1400年忌に当たるが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため規模を縮小、今年は感染対策に留意しながら露店も立ち並び、播磨路に春が訪れ、境内には子どもたちの笑顔が戻った。
鶴林寺の宝物館には雅楽に使う大きな太鼓の一部が常設展示されているが、当時は、太子の命日には雅楽が奏され、舞楽が演じられたという。
鶴林寺は仏教の受容派と物部氏ら率いる反対派の対立を避け、播磨の地に身を隠していた高句麗の渡来僧から教えを受けようと、12歳だった聖徳太子が立ち寄り、 587年に太子の政治的なブレーンとなる渡来系氏族・秦河勝(はたのかわかつ)に命じて三間四面の精舎を建立させた「刀田山四天王寺聖霊院」が起源とされる。1112年に鳥羽天皇から勅額を受け、寺号が「鶴林寺」となった。
播磨路に春をもたらす行事として昔から多くの参拝者を集め、“お太子さん”と親しまれる「太子会式」。地元・加古川市や高砂市のキッズダンススクールに通う子どもたちが、3月21日まで続いたまん延防止等重点期間のため、メンバー全員そろっての練習時間も十分確保できない中、境内で元気いっぱいのダンスを披露し、久々に充実した時間を過ごした。レッスン対象も幅広く、年齢層は7歳~22歳にわたる。