ラヒムの行いは作り話ではないか、というのです。
「SNSで疑惑が広がってるんですよ」
ソーシャルメディアで作り話だという噂が急に広まっていて、金貨の落とし主を連れてきて事実を証明しなければ採用できないというのです。
ラヒムは落とし主の連絡先が分からないため、やむなく婚約者のファルコンデを落とし主の女性役として仕立てることにします……。
監督は、これまでの作品でアカデミー賞の外国語映画賞を2度受賞したアスガー・ファルハディ。この『英雄の証明』はカンヌ国際映画祭でグランプリに輝きました。
主人公はSNSを通じて巻き起こる社会現象に翻弄されます。英雄のように称えられたあと突き落とされてペテン師として扱われ、立場の異なる周りの人物の板ばさみになり、自分を信じる無垢な子どもを巻き込んでしまいます。観る人へネット社会に潜む危うさ、真実をあいまいにしてしまうソーシャルメディアの問題を突きつけるサスペンス作品です。2回観ると、主人公をめぐる人々の言動が不条理コメディのようにも感じられます。映画『英雄の証明』は、4月1日(金)から順次公開。(SJ)
◇映画『英雄の証明』(原題:GHAHREMAN)
※上映日程は、作品の公式サイト・劇場情報でご確認ください。
監督・脚本・製作:アスガー・ファルハディ
出演:アミル・ジャディディ モーセン・タナバンデ サハル・ゴルデュースト サリナ・ファルハディ