神戸市中央区のポートアイランドにある神戸市立青少年科学館が、このたび施設の一部をリニューアル。4月2日から公開を始めた。新しい展示は体験型で、最新のロボット技術やAIについて、子どもたちが遊びながら学ぶことができる。
同館は1984年4月に開館し、2年後の2024年に40周年を迎える。神戸で唯一のプラネタリウムがある(※1)施設として、2014年からは「バンドー神戸青少年科学館」との愛称でも親しまれている。「ふれる・つくる・つながる」をコンセプトに、体験型展示や科学教室などを通して科学や宇宙の不思議に触れることができる。
今回リニューアルされたのは、第2展示室(本館3階)の一部と、本館と新館の連絡通路(2階)の「発見の小径」だ。
■ロボットが得意なこと、人間が得意なこと
第2展示室に新設されたロボットコーナーに、ロボットのさまざまな動きを知ることのできる体験型展示が登場。「ロボットファクトリー」では、ロボットを構成する3つの要素「感じる」「考える」「動く」をゲーム感覚で体験。温度・音を感じるセンサーや、ロボットの得意な記憶力を体感できる。「ロボオペレーション」では、産業用ロボットのロボットアームをコントローラーで操作したり、ダイナミックで正確な自動運転デモを見たりすることも。さらには、神戸で開発された手術支援ロボット「hinotori™(ヒノトリ)」について紹介するコーナーも登場している。
同館で操作体験や解説を行うインタープリターの孝橋沙也佳さんは「ロボットが、プログラムされた通り動くのが得意なのに対し、人間は、空気を読んで考えて動くことや、はじめて見るものに対応するのが得意。そんなロボットと人間の“得意”を合わせれば、ロボットの活躍できる範囲はもっと広がる。この先の未来、子どもたちが大人になったときにどんなロボットが活躍できるのか、想像しながら展示を見てほしい」と話す。
■キリン? シマウマ? AIはどう判断する?
同展示室のAIコーナーには、AIに関する3つの体験型展示が新設された。まず、キリンやシマウマなど4種類の動物の特徴を学習したAIが、画像認識技術により、画面に映った動物を当てる「おみとおしAI」。動物のイラストを 見せると、キリンか? シマウマか? など、AIが考える答えをパーセンテージで表示する。来館者自身が描いた絵などにも対応する。また、「さくぶんAI」では、「偉人」「詩人」「文豪」それぞれのAI が、名言や小説・童謡を学習。来館者が選んだキーワードをもとに文章を作る。「そうぞうAI」は、神戸の風景写真を学習したAIが、並べられたブロックの形から連想した「神戸のまちの姿」を描く。