相続トラブルはお金持ちだけの問題?「いえ、誰にでも起こりうる問題です」 弁護士に聞く遺言・相続問題 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

相続トラブルはお金持ちだけの問題?「いえ、誰にでも起こりうる問題です」 弁護士に聞く遺言・相続問題

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「遺産相続争い」というと、ドラマや映画であるような莫大な遺産を巡って相続人たちが愛憎劇を繰り広げる場面を想像する人も多いのではないでしょうか。相続トラブルは資産何億円というお金持ちの問題と思われがちですが、そうとは限りません。今回は誰にでも起こりうる遺言や相続問題について、みなと法律事務所の中山稔規弁護士に聞きました。

お金持ちだけの問題ではない相続トラブルとは…

---相続トラブルは資産の多い家庭で起こるイメージですが、実際はどうなんでしょうか。

 実は遺産の額にはあまり関係がなく、どんな家庭でも相続トラブルは起こる可能性があります。実際に私が担当する案件でも1000万円前後の遺産トラブルが多いです。親の生前に仲の良かった兄弟が絶縁するほどもめてしまうケースもあり、相続トラブルは他人事ではありません。

――実際にどのようなトラブルが多いのでしょうか?

 よくあるのは、亡くなった方(被相続人)の面倒を見ていた方とそれ以外の相続人のトラブルです。面倒を見てきた人は、他の人より多くもらうべきと主張しますが、面倒を見てこなかった人は民法によって定められた割合での分割を主張するなど、遺産分割の割合でのトラブルは多く起こります。また、面倒を見ていた人が遺産となるお金を使い込んでいたのではないかという疑いをかけられトラブルになることも多いです。

――法律的には平等に分けるのが基本なんですか?

 そうですね。昔のように長男が全て相続するというようなことはなく、法定相続割合に従って平等に分けることが基本になります。しかし、面倒を見ていた人は「寄与分」を主張することができます。寄与分とは、被相続人の財産の維持や増加に貢献した場合に、他の相続人よりも相続財産を多く分けてもらうことができる制度です。ただ、寄与分はいくらと決まっているわけではないので、総合的に考慮して妥当な金額を決めることになります。

――介護をすることにより、働くことができなかった場合も「寄与分」をもらうことはできるのでしょうか。

介護により働けなかった分が寄与分というわけではありません。しかし、たとえば自宅で介護したことによって、本来支払われるはずであった介護施設の利用の支払いがなくなったという場合には、相続人の介護によって財産の維持があったと主張することができます。

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