【後藤さん】ヒツジの睡眠時間は一日の合計睡眠時間が4時間程と言われています。なぜかというと、肉食動物に狙われる恐れのある草食動物は警戒心が強く、睡眠時間が短く浅いものが多いです。
そのため、ヒツジの担当飼育員でも熟睡しているところを滅多に見たことがないと言っていました。
もし見ることができたらとても貴重な経験になりますね。
◆「ユーカリの葉には毒があるのに、なぜコアラは食べることができるんですか?」(ラジオネーム:箱詰めざむらいさん)
【後藤さん】コアラの盲腸は体長の3倍あります。その長さは約2mにもなるのですが、その長い盲腸と盲腸内で共生している微生物の力を借りてユーカリを無毒化しています。毒素の分解に多くのエネルギーを費やすため、その代償として昼夜問わず一日中眠る生活を送っています。睡眠時間は約20時間と動物界の中でもトップクラスなんです。先ほど紹介したヒツジとは真逆ですね。
イングランドの丘にも6頭のコアラがいますが、せっかく会いに来てくれても眠っていることが多いかもしれません。でも決して起こそうとせず、寝ながらお腹の中でユーカリの葉の繊維や毒を頑張って消化しているんだと思って、優しく見守ってあげてください。
◆「ペンギンは、なぜ陸ではノロノロなのに水中ではむっちゃ早く泳ぐのですか?」(ラジオネーム:ハピプラ大好きさん)
【後藤さん】ペンギンが陸上で歩くのが遅いのは、水中で速く泳ぐために特化した結果といえます。ペンギンは、主に翼にあたる部分ではばたいて泳ぎます。この翼は実は硬い骨でできていて、イメージ的には鉄板が入っているようなものです。この、オールのように進化した翼で泳ぐためとっても早く泳げます。そして泳ぐとき、足はほとんど使いません。
■『飼育員さんのすごいこたえ』
著:淡路ファームパーク イングランドの丘
発売:ワニブックス
発売日:2021年5月19日(水)
定価: 1,000 円+税(税込み1100円)
【淡路ファームパーク イングランドの丘 公式サイト】