ひょうご被害者支援センター・理事長の井関勇司弁護士は「多くの犯罪被害者遺族が住む兵庫に、こうした支援条例がないことに疑問を抱いていた。ようやく被害者の支援が本格化する」と評価。同理事の河瀬真弁護士は、県の相談窓口を支援メニューごとに複数置くのではなく、総合的に1つの窓口で行う「ワンストップ対応」ができる枠組みを期待した。
高松さんが住む兵庫県稲美町では2021年11月、子ども2人が死亡した放火殺人事件が起きた。その際、家族らが一時避難できる場所がなかった。こうしたことから高松さんは、犯罪被害者に対する居住場所を支援することや、行政機関の職員が理解して対応できるよう、研修の充実を求めた。
寺田さんは、2021年12月に起きた大阪・北新地放火殺人事件などを挙げ、被害者の居住地が広域にわたるケースも多く、都道府県をまたぐ支援の必要性を訴えた。また、「過去に犯罪被害に遭い、今も苦しんでいる被害者に救いの手を差し伸べる条例であってほしい」と話した。