『ウサギの耳が長い理由』←「聞くため」だけではありません “もう一つの役割”を飼育員が解説 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

『ウサギの耳が長い理由』←「聞くため」だけではありません “もう一つの役割”を飼育員が解説

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 また、ウサギの耳には放熱器として、体温を調節する役割もあります。人間には、暑い時に汗をかくことで、上がりすぎた体温を下げる機能が備わっています。しかし、ウサギには汗をかく機能がほとんどないため、汗をかいて体を冷やすことができません。

 そこで、この長く大きな耳が役に立ちます。ウサギの耳を透かして見ると細かい血管がたくさん通っているのがわかります。

ウサギの耳には血管がたくさん通っている(写真提供:淡路ファームパーク イングランドの丘)

 耳に風があたると、血管の中を流れる血液が冷やされ、体温が上がり過ぎるのを抑えることができるのです。ウサギが全速力で逃げるときに耳を寝かせるのではなく、あえてピンと立てているのは、風を当てることで、体温が上昇するのを防いでいるんです。

――ウサギの耳にはいろいろな役割があるのですね。ペットとして飼育する際に気をつけることは?

【後藤さん】 ウサギの耳がぴんと立っていられるのは、じつは硬い骨ではなく、軟骨と筋肉によるものなんです。しかし「ロップイヤー」と呼ばれる品種のウサギは、品種改良によって耳が垂れています。垂れ耳のウサギは、耳からの放熱が苦手な傾向にありますので、これからの気温が上がってくる季節は、特に飼育管理には気をつけていきたいものです。

垂れ耳のウサギの中で最も小さな品種の「ホーランドロップ」(写真提供:淡路ファームパーク イングランドの丘)

 ウサギの耳は、様々な役割があると同時にとても繊細です。日頃から耳の様子をよく見て、ウサギの健康状態や気持ちを知るヒントにしてください。

◆「淡路ファームパーク イングランドの丘」
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