「時の記念日」の6月10日、明石市立天文科学館に日時計が贈呈された。
この日時計は、1970年代、ドイツ・ハンブルクに日時計を設置した際、「日時計の王様」と呼ばれた故・小原銀之助さんが設計した、地球儀付き水平型の「小原式日時計」 。
日影棒(ノーモン・影を作る三角形で「天の北極」を指す)の先端の地球儀を、明石市が真上になるように正しく取り付ける独特の工夫が施されている。太陽、地球と日時計との関係を科学的に理解することができるため、日時計の研究者や教育者などからも高く評価されている。
国内では神戸市垂水区のショッピングモール「マリンピア神戸」や横浜市中区の「港の見える丘公園」といった、海や港が見渡せる場所など400か所以上に設置されている。
銀之助さんは独学で天文学を駆使した時差表を作成、5分刻みの精密日時計を開発した。「世界でいちばん正確な日時計作家」としてギネスブックにも載った。今回は銀之助さんを継いだ娘のサンダイアリスト(日時計作家)、神奈川県相模原市在住の小原輝子(てるこ)さんから、日本標準時・子午線上に位置する明石市立天文科学館に、輝子さん自身がデザインした日時計を寄贈したいとの申し出があり、設置が実現した。
除幕式で泉房穂市長は「日本には12の市に子午線が通っているが、早くから“時の街”として知られた明石の地で、時の記念日にふさわしく、東経135度の子午線上にあるシンボルタワー・天文科学館に日時計の王様『小原式日時計』が設置されるのは、市長としても大きな喜び。多くの方々に楽しんんでいただければと思う」と、輝子さんに感謝の意を表した。