【中将】 鈴木さんの曲もいいですが、日本語と英語を絶妙にミックスしたロマンティックな詞も光ってますね。表現の仕方とかをよく見ると、かなりいろんな音楽を聴きこんでるのがわかります。
【橋本】 田代さんってこんな才能を持った方だったんですね……。
【中将】 声も甘くていい声してるんですよ。シャネルズ、ラッツ&スターではほとんどコーラスに徹してますが、休止後に出したソロシングル「新島の伝説」(1986)では堂々たるリードボーカルを披露しています。歌詞がちょっとアレなんですが……(笑)。
【橋本】 どういうことなんですかコレは!?(笑)
【中将】 「新島に行けば“DEKIRU”そう信じてた」……秋元康さんの詞ですが、すごいですよね(笑)。当時、若者の間でナンパスポットとして知られた伊豆諸島の新島について歌った曲で、今のところ田代さんの唯一のソロシングルです。
【橋本】 秋元さんさすがですね……ほんま“伝説”。ぼんやり聴いてたらいい曲やと勘違いしてしまいそうですね。
【中将】 当時、田代さんは秋元さんが企画しておニャン子クラブを生み出した人気番組『夕やけニャンニャン』(フジテレビ)の司会をしていたので、その絡みがあったんでしょうかね。二枚目なんだけどエッチでコミカル路線に行きがちな田代さんらしい曲に仕上がってると思います。
このコミカルさがさらに花開いたのが志村けんさんと「けん&マーシー」名義で出した「爺様と婆様のセレナーデ」(1993)。『志村けんのだいじょうぶだぁ』(フジテレビ)内のコントから生まれた曲で、後番組『志村けんはいかがでしょう』(フジテレビ)のエンディング・テーマになりました。田代さんは持ち前のユーモアセンスと音楽活動を通して身に付けたリズム感とで、志村さんの一番のお気に入りコントメンバーでした。僕も毎週番組を観ていましたが二人の掛け合いは子どもながらにめちゃくちゃ面白くて、この曲も大好きでした。
【橋本】 中将さんにそんな時代が……(笑)。でもいろいろお話や曲を聴いて、田代さんが本当に才能のある方なんだとわかりました。
【中将】 もうこれきり覚醒剤や薬物を使わなくていいようストレスやプレッシャーのない生活を送っていただきたいですね。
(※ラジオ関西『中将タカノリ・橋本菜津美の昭和卍パラダイス』2022年6月11日放送回より)