ラジオの“無音”=【放送事故】 「幽霊より怖い」と番組パーソナリティ 背景にある法律や裏話も教えます | ラジトピ ラジオ関西トピックス

ラジオの“無音”=【放送事故】 「幽霊より怖い」と番組パーソナリティ 背景にある法律や裏話も教えます

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 ラジオでは一定時間の「無音」=「放送事故」とみなされます。なぜ無音になってはいけないのでしょう。普段はラジオを陰で支えている技術スタッフが、ラジオ番組のなかで解説しました。

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 先日、大学生の前で話をする機会がありました。大学生に「ラジオの放送では、一定時間無音になってはいけないと、知ってますか?」と聞いたところ、約半数が「知らない!」と答えたので驚きました。

 若い世代にもなじみ深いYouTubeやポッドキャスト、ツイキャスなどのネット配信では、無音や映像の空白があっても不自然でない場合もありますから、配信に慣れている人にとっては、ラジオで無音が「放送事故」という感覚はないかもしれません。

 あらためて、どうして無音になってはいけないのでしょうか。

 そもそも放送局は、「放送法」という法律に基づいて放送業務を行っています。そしてその中には「放送対象地域において放送があまねく受信できるように努めるものとする」という規定が存在します。

 つまり、公共の電波を“預かって”いるので、リスナーの皆さんが、「ラジオが故障したのではないか」「放送が途中で止まっているのではないか」などと不安を覚える放送をしてはいけない……ということで、ラジオは無音の状態を作り出してはいけないのです。

無音はNG

 もし、放送機器のトラブルなどで無音になってしまったときには、自動で音楽が流れます。ラジオ関西(神戸市中央区)では、20秒間無音が続くと、バックアップ音源が流れるシステムになっています。

 と言っても「20秒までなら無音になってもいい」というわけではありません。規定を超えた無音=放送事故とする時間は、放送局によって、5秒、13秒、20秒といろいろ。放送事故になってしまった場合は、管轄省庁である総務省に届け出る義務もあります。そうならないため、放送局は無音などの放送事故を起こさないよう、細心の注意をはらっています。

 そんなラジオでの「無音」。関係者がおしなべて「怖い」というイメージさえ抱いているほど重大なものです。しかし「怖さ」の要因や感じ方は、スタッフと出演者で異なるようです。



【放送音声】2022年6月19日放送回

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