【中小企業問題】後継者、資金繰り、パワハラ防止法…弁護士の「法律的な目線で」トラブル防止へ

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 日本経済を支える基盤である「中小企業」。日本の企業の99.7%を占めていますが(※1)、近年続く減少傾向の背景には、後継者問題やコロナ禍における資金繰りなど、さまざまな課題が横たわっていると言われます。

 そこで、兵庫県弁護士会の業務委員として、中小企業が抱えるあらゆる問題に取り組む、神戸明石町法律事務所の松谷卓也弁護士に話を聞きました。

――中小企業が抱えている問題には、どのようなことがあるのでしょうか。

【松谷弁護士】 中小企業の多くが抱える問題の1つとして、「後継者不足」が挙げられます。実際に事業承継、事業譲渡の相談を受けることは多いのですが、最近は、ご子息がいても後を継がないなど親族の中に承継者がいない場合が多くなっているため、第三者による事業承継の相談が増えています。

その際、私は弁護士として、契約書の内容などいろいろな観点からのアドバイスを行なっているのですが、実は中小企業の事業承継に弁護士が介入しているケースは意外と少ないんです。

最近は、事業譲渡の仲介業者が増えており、弁護士がタッチせず仲介業者のみで行う場合も多くなっています。しかし、事業譲渡による第三者の事業承継はさまざまな問題をはらんでいるのでトラブルに発展してしまうケースも多く、できる限り弁護士が関わって、円滑に進める役割を担わなければいけないと思っています。

――事業承継は税理士の役割でもあるかと思うのですが、違いは何でしょうか。

【松谷弁護士】 税理士は財務関係など金銭面に関わることが多く、弁護士は契約関係や労働関係、株主のチェックなどを行うため、項目が全然違います。

会社は、複数の人やモノ、権利関係の集合体でもあるので、決算書を見るだけでは分からない部分が多数存在します。権利関係や株主関係などについても、実際はどうなっているのか、弁護士が介入して法律的な目線で調査して見える化することにより、トラブルや失敗を減らすことができるのです。

近年は、第三者への事業譲渡という形で事業承継を行うことが増えています。価値のある技術を絶やさないためにも、国をあげて事業承継に取り組んでいるので、弁護士としても手助けしていきたいと思っています。

――「労働施策総合推進法(いわゆるパワハラ防止法)」が、今年4月から中小企業にも義務化された影響は?

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