兵庫県神戸市の玄関口・三宮周辺では、昨年2021年に「神戸三宮阪急ビル」がオープン。周辺のサンキタ通り、「パイ山」の愛称で知られる駅前広場が整備され、訪れた人々の新たなにぎわい創出の場が増えている。
同市は、新神戸から三宮・元町・神戸・ハーバーランド地域の範囲の大胆な活性化を目指し、「都心三宮再整備」を進めている。今月中に中央区役所や三宮図書館が移転オープンし、体育館も新設。さらに、東遊園地や駅前の再整備のほか、人気の都市型水族館「アトア」近くに1万人規模のアリーナの建設も予定されている。
「訪れ、働き、住みたくなる」、そして発展し続けるまちを目指す「都心三宮再整備」で三宮のまちがどう変わっていくのか。再整備事業のこれからに注目する。
■「中央区役所」「三宮図書館」が移転オープン、「磯上体育館」新設
再整備の一環として、7月19日(火)には「神戸市中央区役所・中央区文化センター」が市役所1号館西側に移転オープン。建物は、旧居留地の街並みに調和する開放的なデザインで、災害に強く、ユニバーサルデザインに配慮した造りに生まれ変わっている。1階の多目的ホールではコンサートなども開かれる。
また同日には、中央区の磯上公園内に「神戸市立磯上体育館」も新たにオープン。同施設には、競技場や多目的室、トレーニングルームなどが設けられる。ビジネス街の磯上地域ということもあり、平日と土曜は夜11時まで利用可能。“働く人にも優しい”施設となる。
さらに26日には、勤労会館の閉館に伴い、神戸市立三宮図書館がデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)内に移転オープン。「KIITO三宮図書館」として生まれ変わる。
■東遊園地に「芝生広場」「カフェ」
今年3月に「こども本の森 神戸」がオープンした東遊園は、北側部分が現在工事中。今後芝生広場が広く整備され、カフェやイベントスペースなども設ける予定で、カフェなどの一部施設は11月にオープン予定。また、全体の完成は2023年秋頃を見込んでいる。
■JR三ノ宮・各線三宮駅周辺に「中・長距離バスターミナル」「広場空間」
三宮駅周辺は、数年後にはさらに大きく様変わりする予定だ。JR三ノ宮駅の東側、雲井通5・6丁目地区には、西日本最大級となる中・長距離バスターミナルを建設予定。三宮駅周辺では、現在、1日当たり約1,700便の中・長距離バスが発着しているが、バス乗降場が複数の場所に分散して利用者にはわかりづらい。これらを集約し、利便性を向上させる狙いだ。
建物だけでなく、歩道などの“足元”部分も、車ではなく“人が中心の場所”となるように変わっていく。JR三ノ宮駅と神戸阪急百貨店の間の中央幹線は、現在10車線通っているのを6車線程に減らし、人がゆったりと使える広場空間になるよう整備する予定。緑や花に囲まれたくつろぎの空間として、コンサートやファッションショーなどが行える場所を目指す。
■ウォーターフロントエリアに1万人規模のアリーナ
三宮南側のウォーターフロントエリアも、昨年に神戸ポートミュージアム、その中に都市型水族館「átoa(アトア)」がオープンするなど再整備が進んでいる。通信販売のフェリシモやGLIONの本社が移転し、新たな人の流れも生まれている。