玉ねぎはレトルトカレーを作る際の熱と圧力で煮溶けてなくなりやすいのですが、「大阪極カレー」では玉ねぎの形を残すために、あえて封入時に生の玉ねぎを追加しています。それにより、食べる際にも玉ねぎが残っており、とろっとした食感も楽しめるのです。
最後に、酸味を生み出す「ワイン」には、明治初期創業の老舗「カタシモワイナリー」の「マスカットベーリーA」を使用。欧風カレーに必要な、まろやかな酸味を持つ、日本固有品種・大阪産マスカットベーリーAが風味を引き出しています。
どうしてここまで「大阪産(もん)」にこだわるのか。そこには、コロナ禍により自由にレストランに来られなくなってしまったお客さんと、地元大阪の生産者への思いがありました。
株式会社ヨコオの代表取締役でシェフの横尾淳さんは、2020年の夏、コロナ禍で外食が制限されるなか、「レストランの味をご家庭に届けたい」との想いでレトルトカレーの開発に着手しました。
横尾さんが市販のレトルトカレーをとにかく試食して気付いたのは、「レストランのカレーとの味の差は、小麦粉と脂分の割合と、素材の質にある」ということ。
大量生産を前提にすると使える食材が制限されてしまうため、「大量生産はしない」「素材に妥協しない」をルールに、大阪産(もん)の食材を極めた「大阪極カレー」の開発に着手したのだそう。
横尾さんが大阪産(もん)食材を使用するにあたり、こだわったのは「値段交渉を極力しない」ということでした。