保険適用範囲拡大 がんの『粒子線治療』 施設の広さが「甲子園球場グラウンド」ほどもあるワケ | ラジトピ ラジオ関西トピックス

保険適用範囲拡大 がんの『粒子線治療』 施設の広さが「甲子園球場グラウンド」ほどもあるワケ

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 治療装置は、「陽子」「炭素」を投入するスタート地点から、加速、輸送を経て治療室に粒子線を届けるために必要な、複数の巨大装置・設備から成っている。

提供:兵庫県立粒子線医療センタ-

「兵庫県立粒子線医療センターが完成したのは2001年です。当時、粒子線治療をしようと思うとこのような広大な敷地が必要でした。兵庫県立粒子線医療センターの中には50床の入院施設があります。入院された患者さんから希望があれば、ご自身がどのような場所で治療を受けてきたのか内部をお見せすることもありますよ」(沖本さん)

 同医療センター内には、治療を行うための様々な設備があり、ひと月あたりの電気代は1000万円以上、年間では約1億8千万円かかるそう。「我々がどのように治療するかというプランを立てますが、そのプラン通りに照射できるかどうかは、技師や機械のメンテナンスをしてくれているスタッフの力にかかっている。彼らのおかげで治療が成り立っています」と、沖本さんは現状を語る。

 以前は、粒子線治療の保険適用は小児がん、骨軟部腫瘍、前立腺がん、頭頸部がんの4種類に限られていたが、2022年4月からは大型の肝細胞がん(長径4センチ以上)、肝内胆管がん、局所進行の膵臓がん、局所進行の子宮頸部腺がん、手術後に局所再発した大腸がんの5種類が加わった。

 ただ、同医療センターを訪れる前に一段階置いてもらいたい、と沖本さんは言う。

「患者さんがいきなり当院にお越しになっても、粒子線治療がその患者さんの役に立つかどうかという判断が難しい。その患者さんのがんの大きさや部位、血液検査の状態など色々なことを総合的に判断しなければいけません。当院を受診したい場合は、まずかかりつけの病院で主治医の先生に相談いただき、その先生から紹介いただく形でお越しいただきたいです。その際に画像データなども持って来ていただければスムーズです」。

 粒子線治療に興味がある人は、まずかかりつけの病院で相談してほしい。

兵庫県立粒子線医療センター・院長の沖本智昭さん(写真右)とラジオ関西の三上公也アナウンサー ※撮影時のみマスクを外して撮影

※ラジオ関西『こうべしんきん三上公也の企業訪問』2022年6月14日放送回より

【兵庫県立粒子線医療センター 公式HP】

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