最新のタブレットやスマホで、有線イヤホンの使用と充電を同時に行える変換ケーブルが登場。普段はラジオを陰で支えている技術スタッフが、ラジオ番組のなかで解説しました。
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今回は、今月発売された「ハイレゾ対応音声変換ケーブル」に注目してみました。スマートフォンやタブレットの音声出力に対応したUSB Type-C端子から、3.5ミリステレオミニ端子と充電用のUSB Type-Cポートの2つに変換するもので、一部の人が待ち望んでいた商品と言えます。
「どうしてこのケーブルを待っていたの?」と思う方も多いでしょう。理由は、近年のスマホやタブレットの仕様の変化に起因しています。
かつて、スマホやタブレットにはイヤホン用の差し込み口「イヤホンジャック」と、 充電用の差し込み口が別々についていました。しかし最近の機種は、イヤホン端子・ジャックのついていないものが多くなってきて、有線のイヤホンを使いたい場合、イヤホンの使用か充電か二者択一を迫られる状況になっています。
そもそもイヤホンジャックがなくなった理由の一つは、Bluetoothを使って簡単に無線で音楽や動画を楽しめるようになったことです。また、イヤホンジャックがなくなったことで、本体の防水性が高まり、水や埃のトラブルなどにも強くなったという利点もあります。コンテンツの視聴環境が整ったり、本体が水や埃に強くなったりしたのは大変うれしいこと。Bluetoothの製品も以前より身近になり、ワイヤレスのイヤホン・ヘッドフォンで音楽やラジオを聴く人が増えました。
一方で、今でも有線のイヤホン・ヘッドフォンを使う人はたくさんいます。
たとえば……いわゆる「音ゲー」と言われる、音楽リズムゲームなどをする人など。そういった方はよくご存じかと思いますが、Bluetoothでワイヤレスイヤホンを使用すると、音に少しの遅延が発生します。ボタンを押したとき、ちょっとだけ音が遅れて聞こえてしまうため、タイミングを合わせることが大事な音楽ゲームでは不便です。これを解消するには、スマホ側で設定を行ったり、「ゲーミングイヤホン」という遅延の少ないイヤホンを使ったり、コーデックという別の機械を通して遅延をなくしたりする必要があります。
そのようなわけもあって、未だ有線イヤホン派も多いようです。
【放送音声】2022年7月17日放送回