「豚肉にビニール片」←原料肉の一部でした プロの”目”と最新技術が支える『異物検査』 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「豚肉にビニール片」←原料肉の一部でした プロの”目”と最新技術が支える『異物検査』

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【羽田野さん】 異物が、どんな材質でできているかを調べることができます。当センターでは、異物の外観観察の時点で、金属や石などの無機物とは明らかに異なると判断した場合にはFT-IRを使用しています。

「FT-IR」による検査の様子(提供:コープこうべ)

 今回は、ビニール片のようなもので金属や石では無いと判断したため、FT-IRを用いて検査しました。その結果、異物の材質はたんぱく質や脂質を含むことがわかり、ビニールのようなプラスチック素材ではありませんでした。

――ビニール片に見えたものの、そうではなかった…ということですね。だとすれば何なのかが気になります。

【羽田野さん】 はい。そこで、同時にお預かりした豚肉を改めてよく観察したところ、異物と同様のものが肉とつながっていることがわかりました。以上の調査の結果……つまり、異物は“たんぱく質や脂質を含む”こと、“肉とつながっている”ことから、異物は豚肉の一部で、バラ肉の赤身の表面の「筋膜(きんまく)がはがれたもの」と考えられました。

じつは豚肉の一部でした(提供:コープこうべ)

――異物を特定した上で、原因となるものをしっかりと調査することが必要なのですね。今回の異物は原料肉由来であることがわかりましたが、これは加工の工程での管理で防げるものなのでしょうか。

【羽田野さん】 「豚肉バラうすぎり」の加工工程では、筋膜がはがれて目立つものは作業員が除去しています。ただ、すべてを取り除くのは難しいこと、また、筋膜は食べても健康に影響はないことを知っていただけたらと思います。

――もし、異物が金属や石かもしれない場合はどのようにして調べるのですか?

【羽田野さん】 「蛍光X線分析装置」という機器を使って異物の材質の調査を行っています。

――なるほど。異物をまず観察し、想定される材質に応じて分析機器を選び、さらに調べるということですね。「お申し出」の原因究明調査が、結果として、安心や、商品の加工・製造工程などの改善につながるといいですね。

※ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』内「コープスコープ はかるたいせつ」2022年7月19日放送回より

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今回ご紹介した内容は、商品検査センターの広報誌『はかる』6号(7月発行)の「商品お申し出だより」に掲載されています。『はかる』は商品検査センターのホームページでもご覧いただけます。

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商品検査センターの広報誌『はかる』6号(提供:コープこうべ)
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