「娘はなぜ死んだ」27歳女性死亡 元交際相手の暴力、民事裁判で”新証拠”明らかに 母親が検察へ再捜査申し入れ | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「娘はなぜ死んだ」27歳女性死亡 元交際相手の暴力、民事裁判で”新証拠”明らかに 母親が検察へ再捜査申し入れ

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 兵庫県芦屋市の会社員女性が2016年に死亡したのは、元交際相手の男性の暴行が原因だったにもかかわらず、男性を不起訴としたのは不当だとして、遺族が27日、神戸地検尼崎支部に再捜査=事件の捜査に再び着手する「再起」を求め、申し入れた。

亡くなった有友尚子さん(左)と母親・裕子さん(遺族提供)
会見する母親・裕子さん<2022年7月27日午後・兵庫県尼崎市>

 派遣社員だった有友尚子さん(当時27)は2015年12月28日未明、JR芦屋駅(兵庫県芦屋市)付近の路上で元交際相手の男性と口論になった後、倒れて意識を失い、翌2016年1月10日に死亡した。 男性は傷害容疑で逮捕、送検された(のちに傷害致死容疑に切り替え)。

事件直前、タクシーのドライブレコーダーがとらえた映像には尚子さん(右)と男性とのトラブルの様子が(関係者提供 ※画像の一部を加工しています)

■同乗したタクシーのドライブレコーダーは語る

「やめて、腕(の骨を)折られるのもイヤやから。殺されるのもイヤ。警察行こうよ」
 尚子さんと男性は、JR芦屋駅北側からタクシーに乗るが、車内で口論になり、駅に引き返して交番前で降りる。

 その後、男性の怒鳴り声が聞こえ、尚子さんが倒れこんだという。尚子さんは意識不明の重体となった。4日後、左の頬に青色のあざが確認された。
 
 タクシーの運転手は「男の右手が女の顔に当たった後、女は膝から崩れるように倒れた」と説明した。

 尚子さんの脳内に出血がみられ、司法解剖の所見は「脳に機能不全を来した原因は明らかでないが、外傷性くも膜下出血を生じたとして矛盾はない」とされた。
 
 ところが同年4月、神戸地検尼崎支部は、「事件前から尚子さんに脳動脈瘤がなかったとは言い切れない。事件当時のストレスでそれが破裂した可能性がある」として、傷害致死事件として男性を不起訴処分(裁定としては嫌疑不十分)とした。

 尚子さんの母親・裕子さんは神戸第二検察審査会に申し立てたが、”不起訴相当議決”となった。

神戸地検尼崎支部

 裕子さんら遺族は、2018年10月に損害賠償を求め民事訴訟を起こした。尚子さんが死亡した理由を知りたかったのが一番の理由だった。
 
 その際、脳外科医が尚子さんの脳の画像を鑑定、死因は「殴打によるくも膜下出血」とする意見書を新たに示し、男性の暴行が原因だった可能性が高いことが判明した。大阪高裁は2021年6月、「証拠上、男性による殴打以外に尚子さんの外傷性くも膜下出血の原因となるような外部からの力が働いた事実は認められない」として、暴行と死亡との因果関係を認め、男性に損害賠償を命じる判決が確定した。

片田弁護士(写真・右)「再び、別の検察官の目で事実認定をすべき」
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