「歌がヘタ」と言われた昭和の歌手たちの魅力とその後 「努力して上手くなっていったストーリーは素敵」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「歌がヘタ」と言われた昭和の歌手たちの魅力とその後 「努力して上手くなっていったストーリーは素敵」

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 昭和時代に「歌がヘタ」だと言われた歌手たちの魅力やその後について、シンガーソングライター・音楽評論家の中将タカノリと、シンガーソングライター・TikTokerの橋本菜津美が紹介します。

歌がヘタだと言われた歌手たちの魅力とその後とは…(※写真はイメージです)

【中将タカノリ(以下「中将」)】 僕も菜津美ちゃんも歌い手なので、歌については向上心あるじゃないですか。音程やリズムはしっかりとって、曲の世界観を表現できる歌手でありたいな……と。

【橋本菜津美(以下「橋本」)】 そうですね。やっぱり少しでも上手く歌えるようになりたいと思いますね。

【中将】 でも、気付き始めてませんか? 世の中、歌が上手けりゃ売れるわけじゃないんですよ。

【橋本】 そうなんですよね……私もアイドル好きなんですが、歌がヘタなほうが好きなんですよ。照れながら歌っていたり、緊張しながら歌っているのを見ると、キュンってしちゃってもっと応援したくなるという……。

【中将】 日本の芸能……特にアイドル界って未完成なものを愛でる傾向が強いですよね。そんな文化の根源になったのは、おそらく浅田美代子さんの「赤い風船」(1973)じゃないでしょうか。かわいい声なんだけど明らかにズレてる箇所があるし、当時の歌番組とかで聴くともっと大胆にヘタです。

【橋本】 たしかにかわいい声していらっしゃるんですけどね……(苦笑)。

【中将】 出演した人気ドラマ『時間ですよ』(TBS)で劇中歌として披露され、かわいさと歌の下手さが話題になりました。ご本人は「ヘタ」と言われすぎて傷ついてたそうだが、やっぱり菜津美ちゃんが言う通りヘタなほうが応援したくなっちゃうんですよね。

【橋本】 おつらかったけど人気が出たので結果オーライですよね。今では本格女優として活躍しておられますし。

【中将】 明石家さんまさんのバラエティー番組でも人気があるし、若い頃にツッコまれ続けた経験がいろんなことに活きてるのかもしれません。

 女性アイドルから紹介しましたが、男性アイドル界でも1980年頃から同様にヘタを愛でる文化が定着します。主にジャニーズ事務所のみなさんなんですが、特に田原俊彦さんはヘタと言われることが多かったですね。

【橋本】 今回のトークはドキドキします(笑)。

【中将】 あらためて言っておきますが、僕は田原さんを尊敬しているんです。彼の水準に達したエンターテイナーは日本で何人いるかな……と思うくらい評価しているんですが、デビューしたての頃は間違いなく歌がヘタでした。「ブギ浮ぎ I LOVE YOU」(1981)などは大好きだし面白い曲なんだけどね。

【橋本】 田原さんはTikTokでよく見るんですが、若い人たちの間でもすごく人気ですよ。たぶん、ほとんどの人が「たのきんトリオ」や田原さんのヒット曲を知らないんだけど、ダンスがうまい楽しいおじさんとして認知しています。

【中将】 現在進行形で評価されるパワーを持った人なんですよね。あれこれ言われたのがくやしくてトレーニングされたのか、年を経るごとに歌が上手くなっていくし、今ではこんなに歌って踊れる人ってなかなかいない域に達しています。


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中将タカノリ 橋本菜津美の 昭和卍パラダイス | ラジオ関西 | 2022/07/24/日 27:00-27:30

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