大阪の梅花の名所で、古今和歌集にも詠まれた地名「難波津(なにわづ)」の名を冠する菓子は、断面に可憐な3つの梅の花が並ぶ。
和菓子などの食文化を広く伝えようと、戦後まもなく発刊された食の雑誌「あまカラ」の展示も目を引く。同誌は鶴屋八幡が刊行に携わっており、武者小路実篤や司馬遼太郎ら著名な文筆家が食にまつわるエッセーを寄稿したことで知られる。ビビッドなデザインの装丁は今見ても斬新で楽しい。
同展を担当した俵和馬学芸員は「コロナ禍によって、人々が集まり食を楽しむことが難しい今こそ、菓子が古来、生活を豊かに彩ってきた様子と大阪の和菓子文化について知ってもらいたい」と話している。
8月13日(土)午後2時からは、同館4階講堂で俵学芸員によるスライドトークが開催される。当日先着200人、参加費無料(要観覧券)。また会期中、同館1階ミュージアムショップで鶴屋八幡の菓子を販売するほか、日曜・祝日とお盆の期間(8/13~15)1階カフェ「スター・アイル」での提供(生菓子とドリンクのセット、税込1000円)もある。いずれも数量限定。
会期は9月4日まで。
◆特別企画展「和菓子、いとおかし ―大阪と菓子のこれまでと今―」
会期 2022年7月16日(土)~9月4日(日)
会場 大阪歴史博物館(〒540-0008 大阪市中央区大手前4-1-32)
休館日 火曜
観覧料 大人600円、高大生400円
問い合わせ 同館06-6946-5728
◆展覧会公式HP