この時季、肌触りの良い綿=コットン生地の服を選ぶ人も多いと思いますが、最近よく見かけるのが「オーガニックコットン」。普通のコットンとどういった違いがあるか、皆さんはご存知でしょうか?
なんとなく「オーガニックコットンの方が良さそう……」「少し値段が高いかな」というようなイメージはお持ちかもしれません。じつは、現在日本で販売されている大半の「オーガニックコットン」は、使い心地や肌への優しさなど消費者にとって気になる点では、一般的なコットンと大きな違いは無いそう。
いったいどういうことなのでしょうか? オーガニックコットン製品の普及・啓発を行うNPO法人 日本オーガニックコットン協会(本部:東京都新宿区)に聞きました。
「オーガニック(Oganic)」という英語には様々な意味がありますが、一般的に知られているのは「有機」という意味です。有機とは、農薬や化学肥料に頼らず、自然の恵みを生かした農林水産業や加工方法を指します。
では、「オーガニックコットン」にはどのような意味があるのでしょう。
同協会によると、製品をオーガニックと銘打って販売するには、オーガニックコットンを栽培する「農場」として、各国で定められた条件のもと認証を受ける必要があるそうです。認証の条件は、主に「基準に定められた有機肥料などによる土壌作りを行い栽培する」ことで、その農場で栽培したコットンで作った製品を「オーガニックコットン」と表示して販売することができるそうです。
ちなみに、「オーガニック=無農薬」と捉えられがちですが、認証の基準では、“安全性や環境への負荷が低い”との評価を受けた農薬であれば使用できるとのこと。「オーガニック」と表示されているからといって、100%無農薬で栽培されているとは限らないといいます。
また、「製品化していく工程」の認証を行っている民間機関もありますが、日本で販売する際の表示には、この認証の有無は影響しないとのことです。
ただ、同協会によると「収穫されるコットンそのものは、『オーガニックコットン』も普通の『コットン』も変わりはありません」とのこと。一般的な方法で栽培された綿も残留農薬はとても少ないので、収穫後の化学的なテストなどでは、肌への影響などの面で「オーガニック」かどうかを判断することは不可能だそうです。
では、オーガニックコットンのメリットはどういったところにあるのでしょうか。