【松原】 一度もないということはないです。説明のできない不思議な体験もしていますし。特に住み始めたころは、どこかから声が聞こえてくるような気がして怖かったんですけど、結局それって全部自分の思いこみなんですよね。実際は近所の物音だったり、ただの家鳴りだったり。
【近藤】たしかに、家にいると音が聞こえることがありますが、それを怖いとか、幽霊のせいだとか思ったことはないです。
【松原】 それは住んでいるのが事故物件じゃないからですよね。事故物件だと知って住んでいると、音が鳴ると、それを事故物件と結びつけたくなっちゃうんですよ。過去にそれで怖くなりすぎてしまい、4回鳴ったら「おかえり」、5回鳴ったら「ありがとう」だと解釈して、コミュニケーションを勝手に取るようにしたら乗り越えられる気がしましたね。
それに、住んでいると怖いのが日常になってくるんですよね。たいていのことではおどろかなくなってくるんです。
【近藤】 気持ちの問題というか、受け取り方の問題ですね。“事故物件住みます芸人”をしていて、周りからなにか言われることはないですか?
【松原】 特に何かを言われるということはないですね。ただ、前に1度、浄土真宗のお坊さんをしている父に「事故物件でお経を唱えて」とお願いしたら「幽霊はいない」と言われ、初めて親子喧嘩になりましたね。浄土真宗では基本的に“霊は存在しない”という考えみたいなんですよ。浄土真宗の考え方について勉強になりました(笑)。
書籍ではさまざまな事象も紹介されており、不思議な体験をしているのも事実。過剰な「気のせい」だけでは説明できないこともありそうだ。
ただ、松原いわく「必ずしも、事故物件だから“なにか”が起きるわけではない」という。むしろ「自分の部屋は事故物件ではないから大丈夫」と思っていると、自分の部屋で起きる“なにか”に気づけていない可能性もあるかもしれない。たまには自分の部屋に注意を向けてみるのもいいのではないだろうか。
※ラジオ関西『Clip月曜日』2022年8月8日放送回より