とある場所を車で走っている際、ふと目をやると、なにやら田んぼの真ん中に黒い2体の影が浮かんでいるではありませんか……。
と、こんなふうに紹介すると、なんだか恐怖体験のように聞こえますが、違うんです。なんと紹介すればよいのか、いつも「紹介するタイトルを決めるのって難しいなあ」と感じます。なにか違う言い方で紹介するとすれば……。『見えてきた! 黒い男の影2人!』でしょうか?
いやいやいや! こんな言い方をすると、週刊誌のスキャンダル記事のような見出しですやん(笑)。
もっと素直な表現をすると、兵庫県朝来市の羽渕地区にあります田んぼの真ん中に、なにやら相談している風の2人のシャドー(影)をかたどったようなオブジェがポツンとあるのを発見したんです。
一体これはなんなのか? 田んぼの持ち主である水田文夫さんに尋ねてみたところ、「ああ、これはカカシですよ」と笑いながら即答してくれました。
実はこのカカシ、以前、兵庫県朝来市にある「あさご芸術の森美術館」の館長を務めていた水田さんが、10年ほど前に「どうせならアート感のあるカカシを置こう」と思いたち、当時親交のあった彫刻家の藤原吉志子さんの作品『山高帽の二人』を田んぼに設置したことで生まれたのだそう。
すると、この場所を通るJR播但線の車窓からこの作品が見えるため、たちまち大きな話題となりました。