いったい誰? 「銀色の糸通し」の“横顔”の正体 手芸メーカーに突撃「多くの説がありますが…」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

いったい誰? 「銀色の糸通し」の“横顔”の正体 手芸メーカーに突撃「多くの説がありますが…」

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 コロナをきっかけに「おうち時間」がキーワードになった令和。その影響からか、編み物をする人が増えたりなど、ひそかに「手芸ブーム」が訪れているのを知っていますか?

 とは言いつつも、筆者自身は小学校の家庭科の授業以来、針と糸に触れていません。ですが、当時学校で購入した“マイ裁縫セット”のことはよく覚えています。中でも、小さな針の穴に一発で糸を通すことができる「銀色の糸通し」は、あまりの便利さに衝撃を受けました。しかし……便利さ以上に印象的だったのが、持ち手部分に「人の横顔」が型押しされた謎のデザイン。その強烈な個性は他の裁縫道具とは一線を画し、むしろ異端な雰囲気すら放っていました。

端正な横顔が型押しされた「糸通し」。個性的かつ謎めいたデザインゆえ、小型ながら抜群の存在感

 横顔の人物は誰なのか……? 単純に「糸通し」と呼んでいたけれど、そもそも正式名称はあるのか……? 今になって、なぜか猛烈に気になりはじめてしまった筆者。そこで、「銀色の糸通し」を販売している手芸メーカーの一つ『KAWAGUCHI(東京都中央区)』のマーケティング課・巻田さんに突撃取材しました。

「本来の名称は“スレイダー”といって、カワグチでは『きぬ針用スレイダー』として販売しています」(巻田さん)

 やはり「糸通し」は通称だったようです。

「英語表記は“Threader”、メーカーによって、スレッダーやスレダー、スレーダーなど、カタカナ表記に若干の違いはありますね」(巻田さん)

KAWAGUCHIから販売されている『きぬ針用スレイダー』(3個入り100円)

 では、スレイダーに型押しされている人物はいったい誰なのか。

「はっきり言ってしまいますと『誰でもない』んです。あえて言うなら『架空の人物』であるという説が濃厚です」(巻田さん)

 この横顔には、実は多くの説があるそう。巻田さんに、その中のひとつを教えてもらいました。

「イギリスの産業革命の時代、針仕事をしたことのない父親が娘に教わりながら、針穴に糸を通そうとしていた。しかし、なかなか通せず苦戦しているうちに手元がくるってしまい、至近距離にいた娘の目を針で突いてしまった。結果、娘は失明。それを悔いた父親が娘の横顔を糸通しに付けたことが起源……といった説もあるそうですが、真偽のほどは不明です」(巻田さん)

父親が誤って娘の目を針で突いたから……などという恐ろしげな説をはじめ諸説あるものの、「この顔誰?」を解明する決定打には至らない

 さらに、

「『あの人物は誰なのか?』という問い合わせは度々頂きますが、当社は『誰でもない』と回答しています」(巻田さん)

 ……とのこと。スレイダーを販売している他の企業にも問い合わせてみましたが、やはり巻田さんと同様「誰でもない」「わからない」という回答が圧倒的に多く、この人物について正確な情報は得られませんでした。

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