刀剣が30代40代の女性に人気!?きっかけはゲーム 人気は海外へも | ラジトピ ラジオ関西トピックス

刀剣が30代40代の女性に人気!?きっかけはゲーム 人気は海外へも

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 全国の他の博物館や神社などでも、展示パネルをよりわかりやすく変更したり、ゲームとのコラボ展示では予想以上の来場者数により導線を見直すなどの対応を取っているケースもあるという。

【業界全体の変化】

 また、刀剣人気の高まりから、刀剣や神社の保存、修復プロジェクトに多額の寄付が集まるようになった。石切劔箭神社では2019年、所蔵する「太刀 石切丸」の文化的価値が高く奉納できないために、奉納用の復元刀を制作するクラウドファンディングを実施。『刀剣乱舞-ONLINE-』も賛同し、約2か月でなんと8000万円弱の支援が集まった。また2020年には、デジタル図録『同田貫』を作るプロジェクトで、1か月で900万円以上の支援が集まった。他にもゲームには直接登場しない刀に関するクラウドファンディングでも、多くの支援が集まっている。

 急激な変化を日本美術刀剣保存協会担当者はどう捉えているのだろうか。

「どういうきっかけでも刀剣に興味を持ってもらえるのはうれしい。そこから更に関心を深めてもらえれば。」

 今は、ゲーム開始から6年が経ちお客さんの知識量も変わってきているそうだ。見る目が厳しい人が増えたと担当者は話す。史実や歴史解釈は日々更新されていくし、ちょっとした間違いや細かい部分に気付く人もおり、展示する側も気を引き締めているという。

 また、ゲームとのコラボ展示は全国の博物館や神社で人気を博しているが、そこに頼りきりにならずに展示やイベントを工夫していきたいとも話してくれた。

鑑賞会の様子 写真提供:刀剣博物館
鑑賞会の様子 写真提供:刀剣博物館

 刀剣博物館で実施されているマナー講座や鑑賞会、ワークショップは、ブーム以前から毎回定員に達するほど老若男女幅広い層から人気だそうだ。刀剣所有者向けのメンテナンス講座も開催している。

ワークショップ(作刀工程体験)の様子 写真提供:刀剣博物館

 お金の話にはなってしまうが、推しにお金を落としたいというファン心理と、管理、研究にどうしてもお金のかかる刀剣は非常に相性がいいように思う。刀や刀工に推しがいるという生まれたことで、刀剣というコンテンツに触れるための方法が増えているのだ。お金が回ることで、2万円以上もするような専門書や、絶版の書籍の復刻本、古い専門書の翻訳本なども新たに販売されるようになった。

「ゲーム人気に頼りすぎない」というのは今後のコンテンツにとって重要なポイントだろう。沼に片足を踏み入れた人たちをどうつなぎ止めるか、引きずり込めるかはどんなコンテンツでも存続、拡大のための大きなカギだ。今後の展開にも注目が集まる。

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