【中将】 お次は秀樹さんで「傷だらけのローラ」(1974)です。
【橋本】 私も、秀樹さんといえばこの曲ですね。めちゃくちゃ歌うまいです。私は正直、秀樹さんは本格シンガーだと思っていたので、最近、アイドル出身だと知って驚きました。
【中将】 「本格シンガー」というのがまさに秀樹さんが目指した路線だったでしょうね。秀樹さんはもともと、ハードロックが大好きでデビュー前には地元の広島でバンド活動もしていました。デビューしてから何年間かの歌い方にはその影響が強く出ていますね。アイドルでこれだけ叫びながら絶唱する人ってなかなかいません(笑)。
この歌い方はアイドルシーンでは受け継がれませんでしたが、後の和製ロックやビジュアル系バンドのボーカルスタイルに大きな影響を与えています。1997年にはGacktさんやダイヤモンド☆ユカイさん、THE HIGH-LOWSらが参加したトリビュートアルバム「西城秀樹ROCKトリビュート KIDS' WANNA ROCK!」がリリースされ話題になりました。
【橋本】 確かにわかる気がします!
【中将】 次の曲でラストになります。野口五郎さん「グッド・ラック」(1978)。独特のシティポップ歌謡な感じがあって、音楽面でも評価の高い曲です。
【橋本】 確かに、いわゆるシティポップとは少し違うけど、共通するお洒落な雰囲気がありますね!
【中将】 五郎さんはギターも専門ギタリスト顔負けだし、機材にもめちゃ詳しいし、音楽性の高さが特徴です。ビートルズにはじまり、ブルース、ハードロック、ラテンロックなんでもこいのミュージシャン的なセンスがあるから、こういう曲を歌いこなせたんだと思います。
【橋本】 みなさんビジュアル、歌唱力だけじゃなくて他にない個性を持っていたからこそ今まで語り継がれるアイドルになったわけですね!
(※ラジオ関西『中将タカノリ・橋本菜津美の昭和卍パラダイス』2022年9月18日放送回より)